第34話 あなたは健常者です。大人の発達障害じゃありません。

あ、これは人を選ぶ話ね。否!とか許せない精神が働いてしまう人は読まないでね。別になんか言っても良いけど、答えないからね?予めこうやって書いてるのに言って来るとか、変な人だし。


あんまりベラベラ話すもんではないけど、過去にも何回かあった事だから話そうと思う。近頃どっかの誰かが「大人の発達障害」ってな言葉を流行らせてから、自分はもしかして発達障害なのではと疑って来院する方が増えて来ているそうです。発達障害というのに世間の関心が増えて来たってのは良い傾向ではあるんですけどね…。精神病院の看護師として見て来た範囲だと「大半が健常者」という結果になりました。ですが当の本人はこの結果にガッカリしたり、そんな事は無いと疑ったりします。真面ですと診断されて嬉しくないのかなと不思議な気持ちになります。酷い方だと何度も病院を巡ったと随分と強気な感じで来る人がいます。薄情かも知れませんが、「そこまで自分が発達障害だと信じて疑わないなら、お医者さん診てもらう必要なんてないです。医者要らずです。どうぞそのまま自己診断で社会に向き合って生きて下さい。」というのが本音だったりします。


確かに注意力が欠如してミスが多いとか、ちょっと入れ込み過ぎて他が疎かにしてしまうってのがありますけど、それは単純に得意じゃない環境ってだけかも知れません。そして本当に障害のある人は多くの最初からそうです。突然、社会に出たら出て来るものではありません。発達障害かもと来院された方たちは、一生懸命に生きる事に悩んだ上で来院されている事は分かりますが、仮にですよ?ADHDだとかアスペルガーと診断されてしまった時にどうするのでしょうか?「ああ、だから僕・私はダメだったんだ。」と安心したいのでしょうか?人生に言い訳に近い肯定や免罪符が欲しいのでしょうか?残念ですが世間は厳しいです。健常者から障害者になるってのを分かっていない人がいます。他人は「障害があっても努力して頑張っている人、適応している人」を評価します。ほんと悲しいですが「発達障害なんでぇ…」は受け入れてもらえません。そして一度付いてしまったその診断は覆らないので、ずっと抱えて生きていく事になります。もう健常者じゃありません。どんなに扱いや人目が変わってもかつての様にはなりません。


なので、もし自分を発達障害だと思い込んでしまうなら、その環境が悪いのかも知れません。さっきも言った通り、勇気はいりますが会社なら辞めてしまえば良いんです。そこまであなたを追い詰める会社に尽くしてなんになるんですか?案外、休んでいる間や次の環境ではそんな事を思わずに生きれるかも知れません。来るならどんな場所でどんな努力をしても上手く行かないなら考えてみて下さい。後、診断もついていないのに自称して言いふらすのは止めましょう。本当に発達障害を抱えている方達に悪い誤解を与えます。当然ですが、そんなあなたにもメリットはないです。

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