第23話 蜘蛛は嫌いだけど…

私は蜘蛛というのが嫌いだ。体が米粒くらいの蜘蛛を見る分にはまだ可愛さがあるけど、どうしても大きくなる程に気持ち悪くなるよね。オニグモとか無駄にデカくて禍々しい、ジョロウグモなんて警戒色の塊だし、アシダカグモとかでかいし速いしそして飛び跳ねるから恐怖でしかない。蜘蛛の巣がうっかり顔に付いたとき、蜘蛛がゾゾっと這われたらもう大絶叫もんですな。一時間ぐらいは這われた場所を気にしてしまう。後、昆虫の顔図鑑みたいなのでドアップの顔を見てしまった時だな。後、そん時にバッタも苦手になった気がする。あいつらって私の中では背中と横姿だけで見て来た生き物だから、正面の顔とか腹を見せられた時にウ…ってなってしまった。


話は戻して、蜘蛛は基本的には嫌いだけどカッコ良さとかは多少なり感じる所がある。蜘蛛がここだと厳しいから引っ越すぞ!って時に、お尻から糸を出して風に乗って遠くへ飛んで行くんだけど、あれを目の前で見た時のかっこよさよね。なんかノコノコ歩いて居なくなるんだろうなと思ってたけどそうではないらしい。だけどその糸が何か分からんけど顔に引っ掛かる蜘蛛の糸の大半なんだよね…良い迷惑だ。でもそこに、知性を感じる。なんか忍者っぽさがましたよね。


よく見かける蜘蛛の巣って、円網状って言われるものなんだけどあれを設計図とか教えて貰ったとかないのに「ここと…ここに、糸を掛けられれば…」みたいなノリで初めて、毎回あの形を作るんだからすげえなと思うのよ。いや、なんか自分が蜘蛛だったら滅茶苦茶な網になると思うからさ。昆虫界の職人、芸術家だなと思うのよ。雨風にさらされても破けない丈夫な糸に、じっと獲物を待ち構える姿は忍耐の生き物だと尊敬しちゃうよ。嫌いだけどね。

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