第32話

あ゛~~~~~~!!!!


もう!本当に!『初心者講習』受けておけばよかった~~~!!!


 資料に目を通すと、知っておくと便利な情報が非常に多くて正直悔しい。

・・・SP消費0の走り方〈通称:耐久走〉とか書いてあるし!!!

 あれだけスゲー発見じゃん!!『ドヤッ』っていたのに、『初心者講習』で教われるとか聞いて無いよ!!!掲示板にも書いて無かったじゃん!!!

 『初心者講習』を受けた人達は、通例で資料室利用の際の寄付が初回は免除されるとか、お得感しかないのだが!?受けないのがもったいなさすぎるやん!!


・・・まぁ、ゲーム始めた当初にチュートリアルとは別に『初心者講習』があっても、チュートリアル終えた人は普通興味を持たないよね・・・運営の罠では?


微妙にかゆいところに手の届かないクオリティ!!!

・・・運営の異邦人に対する嫌がらせ魂恐るべし!!


『初心者講習』関連の資料と一階で受付の人にお勧めされた資料を読み進めて、段々飽き・・・ゲフンゲフン、他の資料へと興味が移る。


 それにしても、資料室と銘打つだけあって本当に色々な資料があるね。

 簡単な小冊子程度の資料は読むことが出来るけれど、少し厚い本になると題名すらも意味を認識することができない。それぞれの本の題名にある同じ単語を読み比べてみるが、同じ綴りの部分の意味を片方は理解できるが、もう片方は同じ綴りであることを理解できているが、意味を認識することができない。

 例えるならば、【りんご=りんご】と同じ文字だと認識しているはずなのに、意味が認識できないほうは、思考が空転しているような感覚を受ける。


 ふむ?どちらも同じ文字、同じ綴りで書かれているということは、同じ言語で書かれているはずなのだが、小冊子以外は殆ど内容を認識することが出来ない。それらは俗にいうフレーバーテキストってことなのだろうか?

 此処の運営がそんな中途半端なことをするだろうか?・・・しないはず!(多分


 読むことが出来る内容と読むことが出来ない内容の差異は何なのだろうか?

 適当に読める本を斜め読みしてみるが、本の後半になるにつれ一部の内容は、やはり認識することができない。読める本との相違点はなんなのだろうか?


①本の厚さ

②・・・? 


 わからぬ。本の厚さ以外の相違点を探してみるが、同単語を見つけて翻訳しようとするが、やはり志向が空転するように認識が阻害される。

 ・・・認識の阻害?

 もしかして、一定の条件を満たさない限り、認識が阻害されるのだろうか?


 認識できる資料の共通点を探す必要があるのか!?

とりあえずそれぞれの資料で共通点になりそうなものは・・・


①本の厚さ

・・・つまり、?(未確定

だろうか?

 

 要するに、最低限の情報を知っていることが条件なのではないだろうか?

・・・厚い本を読むことが出来ない理由と、一部の項目を読むことが出来ないのは前提知識が足りないからか!



 はて?その前提知識は何処で手に入れることが出来るのでしょうかね?


・・・ま、まぁ、ね?何かほかに思いつくかもしれないし、それまで放置かな?


 これなんかは、前提知識足りてない気がするんだけど・・??神殿と聖殿の差異に関しての情報とか、これ本当に冒険者ギルドに必要だろうか?




神殿:【神遺物レリック】を祀る

【神器:神遺物レリック

※固有能力を装備特性として発現した遺物。通称:【神器】

※資格者しか干渉できない特性に加え、通常神殿から動かすことができない。

※装備中は、装備特性の固有能力が固有能力がスキルとして追加される。

※装備中に種族進化を行う場合、進化先に影響を与えることがある。

※使用し続けることで、【神器】の装備特性がする特異性を有する。

※構成素材は、一切不明。耐久度は自動回復する。

※使用者の〈死亡〉及び、〈耐久値:0〉になると、神殿に自動で転送される。


ふむ?種族固有能力は人類種に以外にも、魔物の種族固有特性まで様々らしい。

【神器】の中には特異存在の固有特性を発現したものもあるとか・・・

装備中だと進化先に影響するって、一種のキメラ化なのではないだろうか?


・・・あと、なんか最後の章に、走り書きで『嘗て【神】と呼ばれた存在が使用していた』とかコソッと書いてあるんだけど、信憑性はどの程度なのだろうか?



聖殿:【聖遺物レガシー】を祀る

【聖器:聖遺物レガシー

※成し遂げた偉業ルーツを装備特性として発現した遺物。通称:【聖器】

※装備することで、装備特性の偉業ルーツに関連する特性が追加される。

※使用し続けることで、【聖器】の装備能力がする特異性を有する。

※構成素材は、一切不明。耐久度は自動回復する。

※耐久値:0 になると消滅する。


【不死身の英雄】【逆境の悪魔】【未知の開拓者】などの偉業ルーツが有名らしいが、効果の詳細は不明らしい。ただいずれの使用者も、現在では英雄譚に描かれているらしい。【逆境の悪魔】ってどんな偉業何だろうか?それだけイメージが湧かぬ。他のはなんとなく想像できるのだけれどね?

 成し遂げた偉業ルーツ=称号効果?みたいなものだろうか?違うのかな?


ルーツって、何処かで見覚えがある木がするんだけど・・・何処だっただろうか?


ん~?まぁいいや。重要ならそのうち思い出すでしょう!


 また、神職者と聖職者の違いは【神遺物レリック】への適正を持つか【聖遺物レガシー】への適正を持つかの違いだけらしい。他には、細々としたスキルの詳細が違うらしいが、ジョブ性能の互換性はあるらしい。

・・・てっきり宗派の違いかと思っていたが、実際は適正が違うだけだったことに驚いた。神殿と聖殿の仲はそう悪くないらしい。資料を読む限りでは、ある意味どちらも祀っているもの以外へは、無関心ともとれるのかもしれない。

 しかし、何方も系統としては回復職ではあるようだが、回復職が専門というわけではないのが意外だね。

 


 

 

 街に存在する組織に関係した物から、冒険者出身の英雄に関する情報まで幅広く取り揃えているが、英雄譚は冒険者が必要とする情報なのだろうか?・・・先程の資料にあった、聖遺物レガシーの使用者に関しての物が揃えてあるのかも? 


 しかし、スキルに関連した資料は非常に少ない。私の知識が足りないせいかね?幾つか見つけた資料にしても、有名ジョブの転職条件のに関してはともかく、2次職以降のジョブスキルに関しての詳細情報は記載されていなかった。

 もしかして、各職業ごとのギルドにしか置いていないのだろうか?それとも、これも私の知識不足が原因だろうか?


 魔力使いについて書かれている資料もあったが、基本的に魔力使いの昇格後に関しての情報は資料に載っていなかった。記載されていたのは魔法使い系への転職後に関する内容が主だ。


推奨スキル:〈魔力操作〉/〈属性適正〉/〈-魔法〉×2/〈術〉/〈瞑想〉…等


 

 ふむ、ふむ?推奨スキルが書いてあるが、明らかに私は魔法スキル取り過ぎだよね?・・・しかも暴発するから今は使えないし?

 〈瞑想〉・・・??見覚えのないスキルだね。推奨理由は、瞑想状態だとMP回復速度上昇!?これいいね。MPの消費激しいから、私には必須だね!取得方法は、あれ?書いてない。他のスキルは書いてあるみたいなんだけど・・・


 これも私の知識不足が原因かな?・・・資料室の存在意義()

・・・ま、まぁ?アディに聞けばわかるよね!うん。 



 魔法使い系への転職しか資料に記載されていないということは、魔力使い系の昇格は人気が無いのか、そもそも昇格した人の情報が無いのか、どちらだろうか?


・・・今更だけど、魔力使いを昇格すると戦力的に詰むって事は無いよね?

ま、まぁ。最悪でもトアがいるから問題ない!・・・といいなぁ。


 何で私はオンラインゲームをやってるはずなのに、戦力的に詰むことを心配しなきゃいけないんだろうか?・・・ソロだからか。


Tips:魔物は進化する毎に、人種よりも個体能力が高くなりやすい為、討伐の際はPTの連携が重要視される。将来的な生存率を上げるためにも、早いうちから固定PTを組むことを推奨する。

―種族進化をしてなお固定PTを組んでいないものは、何かしらの問題があると周囲から認識されることが多い。


ソロがそんなに悪いの!!?」


「どうされましたか~?」

え?

「資料を破損してしまいましたか?」

資料室の入り口からふらりと男性が入ってきた。

制服を見る限りギルド職員のようだ。


「いえ、特には問題ないです。煩かったですか?」


「ん~?『ソロがそんなに悪いの!!?』という渾身の絶叫が外にまで聞こえてきたので、何か問題でもあったのかな~?なんて思いまして、お声がけさせていただきました」

・・・!!

こ、こえに…でてい…た?(震え声


「もしも、資料を破損してしまった場合は、ギルド口座から賠償額が自動で引き落とされますので、破損させてしまってもギルドに負担はありませんから、安心してくださいな?」

そんな心配してない上に、何ひとつ安心できないんだが!?

請求来てないよね!?


慌ててギルドカードを確認するも、特に引き落とされてはいない様だ。


「勿論!冤罪は無い(はず)ですからご安心を!」

・・・この人、他人を慌てさせるのが生きがいの人なのだろうか?


「あ~・・・騒がしくしてしまったことを謝罪します?」

「大丈夫ですよ~?煩くなるのは、ギルドでは日常茶飯事ですから。

 ところで、先程の絶叫の内容からして、PTを組まれていないことがお悩みの内容だったりしますか?よろしければギルドで固定PTの紹介もさせていただいておりますので、お気軽にお声がけ下さい」

「必要の際は是非お願いします」

「なんでしたら、今からでもいくつかのPTの紹介ができますよ?」

・・・押しが強い人だな。


「今はいらないです。先程は少し取り乱しただけですので・・・」

「そうですか・・・御用の際はお声がけ下さい・・・其処の司書室にいますので」

男性が指をさしたのは、隣の部屋?・・・従魔の預り所では?あそこって司書室だったの?預り所(司書室?)に足音が去って行ったようだ。


確かに先程の男性は預り所に・・・いた・・・かも?多分。

・・・でも預り所に司書室の役割持たせて大丈夫なのかな?

なんとなく釈然としないものがあるけれど、まぁいいや。


 それにしても、1次職の昇格の情報に関して魔力使い以外は、結構詳細な情報が記載されているのが、ますます魔力使いの昇格への不安を強くする。


ん~・・・・・・【進化種と種族値】?


ナルホド?・・・何故種族値?


表紙を開いてみると、進化の段階と種族値の一覧が記載されている。


進化段階と種族値に関しての情報なのかな?


見開き以外の頁を開いても読むことが出来ない


・・・本題が読めないとか、この本の意味が・・・




基本種 〈種族値:1〉

人種の根源:ヒューマン等


上位種 〈種族値:2〉

条件:3次職以上+種族レベル100以上

人種の上位:ハイ・ヒューマン等


最上位種〈種族値:3〉

条件:?????+種族レベル100以上

人種の限界:???


亜神種 〈種族値:4〉

条件:不明

人種の亜神:???


英雄種 〈種族値:X+1〉

条件:一騎当千+種族レベル100以上

※X=現在の種族値

人種の英雄:ヒューマン〈英雄種〉等


超越種 〈種族値:1~5〉

条件:不明

進化時、確実に固有能力を獲得する。

種を超越した存在:ヒューマン〈超越種〉

-個人により全く異なる存在を同一の種と言えるのだろうか?

 種族値が高いほど強力な固有能力を有するが、同時に非常に強い制約が発生する。固有能力が強力な為、格上の存在すら余裕で蹂躙する。  

固有能力の成長に伴い、制約も《成長》する。



ふむふむ・・・?

超越種だけ、説明長いね?やはり私が〈超越種〉だからだろうか?

・・・ん~???格上の存在すら余裕で蹂躙って、誰の事よ?言ってみ?

むしろ制約のせいで極振りせざるを得ないまであるぞ?ぉん?ぉんぉん?


固有能力と制約が成長するって・・・どうゆうことなの?

更に能力値に制限かかったら、個人の戦闘能力皆無になるでのは・・・?


・・・今更ながら本当にこの種に進化して、良かったのだろうか?



    

      

   うん。今の一文は見なかったことにしよう!(目逸らし





う~ん。他に興味が引かれる資料は~?


これ、どうだろう?「ダンジョンと貴族」


(・_・D フムフム

簡単に纏めるとこんな感じかな?


Q:ダンジョンとは?

A:神殿又は、聖殿の地下や転移先に存在する異次元空間&冒険者ギルド


Q:街と村の違いは何ですか?

A:ダンジョンの有無。つまり、神殿の有無。規模は換算されない。


Q:貴族とは?

A:村から街に変化した際の余剰魔力で、村長の一族が進化した存在。

※「街」変化後の村長の一族は、[ノーブル・ヒューマン]へ自動的に進化する。



Q:何故貴族は特権を得ているの?

A:ダンジョンの存在する「街」は、ダンジョンから漏れ出る魔力により、周辺よりも魔力濃度が高まる。魔力濃度が高まると、周辺住民の成長率が高まる。その恩恵を最も受けるのが貴族の一族の為、「街」の有事の際に、前線に出ることが義務付けられているから。

※貴族はその種族特性から存在するだけで配下の強化が出来る点も考慮される。


Q:「街」を持たない貴族はいるの?

A:王族や上位貴族から叙任されることで、[ノーブル]系への進化が解放されます。また、それらの貴族は通常領地を持たない法衣貴族と呼ばれます。


Q:法衣貴族とは?

A:叙任した存在の半眷属のような存在となり、領地の管理を委任されることがあります。[ノーブル]系は上位種に分類されるため、通常の人種よりも長い寿命を誇ります。そのため長期スパンでの領地運営の視点を持つ重要な存在です。


Q:王都や帝都等は神殿や聖殿が複数存在するのは何故?

A:ダンジョンは二つの条件を達成する毎に深度が深まる。

施設の数が増えるごとに、階層が深まることが確認されている。

~殿:1=10階層

~殿:2=100階層

~殿:3=1000階層(過去の記録のみ)

~殿:4=10000階層(推測

条件=【最深部到達】+【一定以上の人口】


Q:もっとも有名なダンジョンは?

A:【冒険者ギルド】(インスタンスエリアは、ダンジョンの機能と思われる)

ギルド中枢の設備の破壊及び移動が不可能であること。また、「街」に変化した際地面から生えてくるため、ダンジョンとして認識されている。


Q:ダンジョンの推奨レベルは?

A:ダンジョンには適正レベルしか発生しない「本道」と、特殊なギミックなどが存在する「支道」の2種類存在する。

「本道」=階層×10

「支道」=条件により異なる為、不明


Q:ダンジョンの利点は?

A:無限の魔物が発生するため一種の資源鉱山ともいえる。


Q:ダンジョンの欠点は?

A:条件を達成すると「魔物大行進モンスターパレード」が発生する。

現在では2種類の条件が確定。

条件Ⅰ:ダンジョン内で短期間に大量の死者が発生すること。

条件Ⅱ:一定期間におけるダンジョン参加者が基準未満になること。


Q:「魔物大行進モンスターパレード」とは?

A:ダンジョン内から魔物が溢れる事。

※Ⅰ:通常ダンジョン内からは魔物は出ることはできません。

※Ⅱ:「魔物大行進モンスターパレード」により地上に溢れた魔物の子孫が、現在の地上に存在する魔物の起源とされる。


Q:「~殿」の数は減少することはある?

A:「~殿」が存在する街で「魔物大行進モンスターパレード」が発生する毎に1個減少します。


Q:街が「魔物大行進モンスターパレード」で完全に滅びた場合はどうなる?

A:その街にある全ての「~殿」が消滅し、数に応じた範囲の領域ネストと、強力な核となる存在が発生します。通称:領域主ネスト・ボス

推奨討伐人数

1個:位階3以上×100~

2個:不明

3個:不明


Q:領域主ネスト・ボスの討伐推奨人数で「~殿」2個以上が不明な理由は?

A:解放された記録が無い為。通称:「未開拓領域」


 長い・・・長すぎるわ!しかも読めない部分も結構あるし!!

 驚いたのは、冒険者ギルドもダンジョンってことだね!この資料室の認識できない情報が多いのも、ダンジョンギミックの一部って事かぁ!?

 最後の領域主ネスト・ボスはレギオンボスとかの大型ボスかな?


 今回は知らない事多数だったのだけれど、何故認識出来たのだろうか?

[ダンジョン]が今回の情報[キー]ということなのかな。まぁ、私にはあまり関係のない内容が大半かな?特に貴族関係。

 私の進化先にも[ノーブル]系統出てたけど、それはどうゆう扱いになるのかな?

・・・野良貴族とかかな?貴族なのに野良??



 他に気になる資料は、今のところはないかな?今回の収穫は、〈瞑想〉に関してだね!他はないよね!・・・無い。

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