第28話

・・・現在スパゲティソースの作り方を検索中・・・


このソース美味しそうだな。

材料は・・・ギリ揃ってるかな?


・・・

・・・

・・・


御馳走様~!!

意外と野菜多目のパスタがおいしかった。

野菜は嫌いなんだけど、このパスタ時は野菜が無いとむしろ物足りなさそう。


食事&雑事OK


さぁ、ログイン!!





ん~


相変わらずログインしてゲーム内で目が覚める感覚が、寝起きに似ていて二度寝したくなる。寝起きは二度寝したくならない?前回食事したからか空腹は感じない。


トアはいつもの場所でごろ寝中~


今日はどうしようかな?

5000万Dも手に入ったしアクセ購入か、現金化か悩むな。

現金化するくらいなら、折角だし課金ショップのジョークグッズを買おうかな?



うむ。今日の予定は未定!

とりあえずお金は保留にして、レベル上げとベル草の採取にでも行こうか。

・・・装飾品関係は、アディに聞いてからにするべきかな?


「トア、今日はレベル上げの為に森に行こうか(私は採取してるね!)」

そう。前に大量狩りをやらかして、受付の人に注意されたあの森が今回の目標だ。


トアが返事をしないので不満でもあるのかと思い顔を覗くと、非常に嬉しそうだ。

・・・好戦的な笑顔のせいで、普通に顔が怖いんですが?威嚇状態ですか??


トアの表情は見なかったことにして、冒険者ギルドで適当に討伐依頼を受けよう。


仮眠室の扉を開けると珍しくアディがいない。寝ているのだろうか?

外出している可能性は・・・無いな。今までの惨状を聞く限り、外出は無い…はず


しかし、アディが工房にいないのは本当に珍しい。

私がログインした時は大体工房にいるのにね。

今日は不思議な何かが起きることを予感させるね。


・・・何も起きなかったら恥ずかしいから、声には出さなかったけどネ!(褒めれ



何時も通りの道順で冒険者ギルドにやってきた。


う~ん。やはり異邦人を殆ど見掛けないな。

全員が生産をしたら、素材足りなくならない?


依頼一覧を見てみると、やはり素材採取系の依頼が大量に出ている。


ん~???この依頼異邦人が出しているのかな?

素材納品依頼で報酬が、ベル草100本で10Dとかふざてるのかね?

納品上限無しって書いてあるけれど、抑々こんな依頼誰が受けるんだろうね?


・・・

・・・


・・・え?ちょっと待って、こんな依頼ばかりなの?

普通の討伐依頼が納品依頼の数が多すぎるせいで、随分と少なく感じる。


ん~・・・納品依頼は普通にギルドで買い取って貰ったほうが効率いいね。

ウルフとゴブリンの討伐依頼だけ受けようか。受託っと。


「そこの人~!どうせ依頼受けるなら、俺が出してる納品依頼も受けてくれない?他の納品依頼より報酬は勉強させてもらっているよ?」

・・・なんか後ろから茶髪の頬に傷のある男性から話掛けられた。

今の私に話しかけるとは凄いな。戦闘の予感でワクワクしているせいで、凶暴な形相になっているトアさんが視界に入らないのだろうか?


「あ~、私ですか?」

「そうそう!今何かしらの依頼を受注してたでしょう?受注の仕方からして異邦人だよね!同じ異邦人のよしみで、今受けた依頼のついでに俺の依頼も受けてくれないかな?内容はベル草だし、何処でも手に入るからさ!さっき言った通り他の同じような納品依頼よりも報酬は多めにしてあるからさ!これ受けてよ!」

そう言いながら提示されたのは、依頼の画面だった。


『納品依頼』

納品対象/ベル草:100本/12D:期間/48時間

未達成時/罰金1000D:納品上限/無制限


・・・ふむ。依頼内容は明らかに劣悪だよね。

これは馬鹿にされているのだろうか?それとも挑発されているのだろうか?


「どう?他の依頼よりもベル草の買取価格高めでしょ?」

「なんでこんな依頼出しているのですか?」

「なんでってそりゃぁ、ベル草をギルドで買うと何故か高いんだよね~。だから依頼で出して安く集めたいからさ。その割に誰も依頼を受けてくれないんだよね~」

「ギルドの買取価格の方が、この依頼内容よりも利点が多いからでは?」

「は?いやいや、はした金よりも生産者と繫がりが出来る方が大事だろう?」

この人何なんだろう?な何故態々私に絡んでくるのだろうか?


「ほら、これ受けて行けって。これでも俺は異邦人の中じゃ割と上位の生産者よ?安定的に品質値〈4〉以上出せるレベルよ?納品依頼を受けてくれるなら、対象優先的に生産依頼受けてもいいぜ?」

「いらないです。今回は戦闘メインなので、採取の余裕はないです」

・・・微妙。品質値〈4〉って、誰かに教われば品質値〈6〉迄は余裕でできるようになるはずだよね。やはり独学なのか?


「はぁ~。君初心者でしょ?最初に配布されるポーションを使いきると、新しいの買わなきゃいけないんだぜ?この依頼受けてくれるなら、ポーションを値引きしてもいい。どうだ?」

「いらないです」

「はぁ~。メンドイ。いいからこの依頼を受けろって」

めっちゃ絡んでくる。メンドイはむしろ私の言い分だよね。

お?茶髪男性の裏からギルド職員の制服を着た大柄な男性が近寄ってくる。


「揉め事か?」

落ち着いた声音で事情を尋ねてきた。見たことのない人の筈?

強面で真面目そうな印象を受けるが、それ以上に気配に圧倒される感じがする。


「いや~?初心者に先輩として依頼を教えてやってるだけだ。なぁ?」

「その依頼を拒否してる最中です」

茶髪から同意しろと睨まれる。

「そうか。依頼の強制は禁止されている。貴様の名前は?」

茶髪の行動は依頼の強制で問題行動なのか。

・・・正直GMコールしようか悩んでたんだよね。


「なんで~?なぁ、只教えてるだけだぜ?何処が強制なんだよ?証拠は~?」

「受付の職員から通報があった。それだけで証拠は十分だ。貴様の名前は?」

「ちっ。メンドクセ~。依頼を教えてるだけだっての。邪魔者は去りますよっと」

「貴様の名前は?」

踵を返して場を離れようとする茶髪の肩を大柄な男性の方が掴んで引き留める。


「ふざっけんな。邪魔ならいなくなるって言ってんだろ?言葉通じないのかよ」

茶髪は肩を掴んでいる手を振り向き様に振り払った。

「・・・ふぅ。これで最後だ。貴様の名前は?」

「知るか。無駄な時間使わせんじゃねぇよ。NPC風情が!」

「暴言も追加だな。拘束させてもらう」

「はぁ~?うぜぇ、消えろ!」

茶髪は拘束を拒否して大柄な男性に腰に差していた剣で切りかかった。


次の瞬間。

茶髪を背中から大柄な男性の貫手が見える。

茶髪の体が光を放ち始めた。死亡したようだ。


・・・あっさり返り討ちしたのはいいが、拘束しなくて良かったのだろうか?

何時の間にか背中から貫手が生えた様にしか見えなかったんだけけど?

行動速度早過ぎない?AGIの数値どれくらいなんだろうか?


「・・・・・・あ。ふぅ。思ったより脆弱だったな」

誤魔化した?今「あ」って言ったよね?

さては拘束するという目的を忘れてたな?


「はぁー。依頼人名簿から名前は調べられますから、今回はまぁいいでしょう」

何時の間にか私の後ろから女性の声が聞こえてきた。

驚いて一気に体ごと後ろに向き直った。


「初めましてイザナ様。私は受付の統括をしています。カイナと申します」

以後お見知りおきを。

そう言って水色の髪の女性は軽くお辞儀をしてきた。

・・・なんか出来る秘書みたいな見た目なのに、威圧感が凄いんですが?


「さて、ダンテスさん。今回の相手への注意行動に関しての詳細を後で報告書にして提出してください」

カイナさんは大柄な男性改めダンテスさんに向き直ると、一方的に告げ去って行った。ダンテスさんが絶句している。・・・報告書が嫌なのだろうか?(納得

うむ。まだカイナさんの威圧感の余韻で恐怖している気がするよ。


「あ~、すまない。先程の依頼を強制していた者は、此方で今後其方に害が及ばぬように調整するので気にしなくていい。それでは、よい冒険を」

そう言い残すとダンテスさんもそそくさと去って行った。

最初の印象と違ってドジっ子っぽく感じる。・・・顔は強面なのに。

なんだか最初と最後で随分と印象が違う人だったな。



気を取り直して南門から森に来たが、相変わらず森は気配が濃い。

進化前ならともかく、幸い今ならばソロでもここら辺の魔物には苦労しないだろうし、そろそろ別行動でもいいかな?



「よし。私は採取してるから、自由に戦ってきていいよ!」

私の言葉を聞いた瞬間トアは返事も返さずに、一気に森の中に駆け込んでいった。

・・・返事をしないって、反抗期とかじゃないよね?


気のせいだろうか?急に遠くの気配が消えていっているように感じるのだが・・・トアの影響だろうか?


安全になっているなら問題ない・・・かな?

気配をともかくとして、採取だな。

折角指輪が買えるだけのお金が溜まっているのだから、今のうちに採取をして生産のための素材を用意しておかなくては!



ちまちま


・・・ちまちま


ベル草を見掛けたらかがんでちまちま採取しているが、ここら辺は随分と数が多いな。異邦人はここら辺に採取に来ていないのだろうか?


ここら辺は群生地なのだろうか?

ざっと見で200本位ベル草が集まっている。


ふむ。前回は4時間で2000本前後だったか?

森だとベル草の数が多いようだし、今回の目標は3時間で3000本だな。


時々森の奥からゴブリンらしき悲鳴や、ウルフらしき悲鳴が響いてきて不気味だ。

・・・魔物等の悲鳴ではない作業用BGMが欲しくなるな。


しかし腰がキツイな・・・

前回より腰が痛むのが早いような気がする・・・歳か?


・・・!!

あれだ!進化のせいで能力値半減で素VITが2.5だからか!


あれ?アクセサリーでVIT補ってる分は、意味ないのだろうか?


疲れにくいが、腰が痛い。


・・・次のレベルアップではVITに振ろうかな?

そんな欲望がちらりと湧いてくる。


無駄なことをつらつらと考えながら草むしり。


ちまちま


・・・ちまちま

 アォーーン


・・・ん~?悲鳴が遠ざからないのはトアのせいなのだろうか?

いい加減不気味な悲鳴も慣れてきたが、腰の痛みには慣れない(´;ω;`)


おっ此処も群生地か。


ん?一本だけ紫色なんだが、これは何だろうか?


〈鑑定〉


バル腐/9〈1〉

バル腐:小さな鈴が垂れているように見える花をつける草に稀に混ざって育つ

特定の手順を踏むことで極稀にポーションなどの素材となることもある。


「ほぅ・・・品質値は存外高いが、説明の内容的にゴミ素材では?」

適当な大きな袋にベル草と一緒に投げ入れる。

使うときには色で気が付くだろうから問題無いよね?(多分





NAME:伊舎那イザナ

RACE :ヒューマン《超越種》/24〈6〉

AGE:15 /15〈0〉

※能力制限中:5割減

※土の加護:VIT+35


Job:魔力使い/44〈1〉

Sab:薬士/46〈1〉

残JP〈54〉


HP:45 〈0〉 [+175]合計値:220

MP:760〈68〉 [+220]合計値:1,048

SP :80 〈20〉


STR /5   〈〉

VIT /5  〈〉[+35]

AGI /5   〈〉

DEX /12 〈4〉

INT /181 〈12〉+44

MID /12 〈4〉 

LUC /5 〈〉

残ステータスポイント〈6〉

スキル

Job

魔力系

〈魔力操作/34〉〈術/34〉〈魔力術/30〉

〈属性適正/27〉

〈火属性魔法/12〉〈水属性魔法/7〉〈風属性魔法/17〉〈土属性魔法/7〉

〈光属性魔法/7〉〈闇属性魔法/3〉〈無属性魔法/3〉

生産系

〈調合/15〉〈錬金/11〉

Status

〈器用強化/2〉〈知力強化/2〉〈精神強化〉

Common

〈採取/14〉〈植物知識/2〉〈鑑定/16〉〈識別/3〉

Unique

『扉』:〈放浪書店〉

『種族』:〈眷属創造〉〈王権〉


称号

〈術〉の入門者/2〈1〉:MPに〈術〉x10の追加補正

〈魔力〉の入門者/1〈1〉:MPに魔力系スキルx10の追加補正

〈火属性〉の入門者/1〈1〉:火属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈水属性〉の入門者/1〈1〉:水属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈風属性〉の入門者/1〈1〉:風属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈土属性〉の入門者/1〈1〉:土属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈光属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈闇属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈無属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減 

〈魔法使い/見習い〉/1〈1〉:魔法スキル使用時、消費MP:〈1〉減

〈アドリアーナの弟子〉/1〈1〉:MPに+10補正

※消費MP:〈1〉以下にはならない


〈超越者〉/1〈1〉:〈種族能力・種族スキル〉解放 

 《成長の成約》:必要経験値固定。進化前種族値の必要経験値と等しくなる。

 《始祖の血脈》:眷属最大数増加。眷属〈成長・進化〉解放。

 《無欲の大罪》:自らに全能力値減少補正〈大〉/眷属の能力値上昇補正〈大〉

 《王権の起源》:眷属素材解放。眷属創造解放〈最大数=種族値に依存〉

 《無辺の願望》:眷属の数により、本人+眷属に補正。


眷属

ウルフ〈幼体〉/47〈0〉

HP :510〈255〉

MP:297〈144〉

SP :510〈255〉


STR /60 〈30〉 

VIT /54 〈27〉 

AGI /60 〈30〉 

DEX /54 〈27〉 

INT /33 〈16〉

MID /33 〈16〉 

LUC /33 〈16〉

残ステータスポイント〈12〉

スキル

肉体特性

〈牙〉〈爪〉

戦闘系

〈警戒〉〈索敵〉〈奇襲〉

称号

〈孤狼奮闘〉:SPに追加補正+回復補正〈敵数x0.01%〉 ※戦闘終了まで効果持続

〈孤狼の誇り〉:単体での出撃時、獲得経験値上昇

〈格上殺し〉:位階が格上の対象との戦闘時、追加補正〈位階差xステータス÷2〉

〈縦横無尽〉:対象を認識中、〈スキル・称号〉効果継続時間延長※最大SP÷10/分

〈幼狼の誇り〉:成長時、進化先に補正

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る