第19話 〈装備〉
□魔法ギルド:アドリアーナの工房
謝罪を行った後、早々にアディに会いに来た。
・・・知らずにまたステ振りでやらかすの怖いし?
アディに魔法暴発の話までしたところ、爆笑された…
私の顔を見るたび噴出しそうになって口元を抑えている。
・・・・なにわろてんねん!そう思った私は悪くないはず。
正直此処迄笑われると思ってなかったんだが、一周回って怒りも湧いて…くるな。
悟りの境地迄はまだまだの様です。
「くくく。うん。ぶふっ。フゥ…えっとステータスだったね?
まぁ、今後の目標次第かな?既に転職のための水準超えているようだしね?
物理系複合Jobを将来狙うなら、STRやVITもそれなりに必要だけど、
これからも魔力使い系の派生や特化に進むならその二つは最悪切ってもいいかな。まぁHPの確保のために多少はVITに振ることを勧めるけど、絶体必要なわけじゃないし、装備条件を満たす程度に振るのがいいんじゃないかな?
後!今もかかってる状態異常:魔力暴走は、時間経過で治るから安心するといい」
ひとしきり笑い、こちらに向き直った瞬間に噴出し、こちらを見ないように横を向きながら話し始めた。・・・そんなにおもしろい?ねぇ?
「今の所物理系複合に進む予定はないんで、極振りに近いことをしようかなって思ってます。」
「くふっ。極振りってwwまだ懲りてないの?ふふふっ。
まぁいいんだけどね?でも!2次職以降ですることをお勧めするよ。
基本的にJob補正の割合通りに振ってれば、今回のような問題起きないからね?」
・・・その話もっと早くに欲しかったんだが?
「あ~じゃぁ今はDEX:1/INT:3/MID:1がいいってことですか?」
「そうそう。推奨のステの振り方は、ジョブによって大まかに方向性が決まってるからね。2次職以降だと特に補正箇所や補正合計値が上がってるから複雑だけど、
1次職から極振りってのは、私は初めて聞いたよ?」
「2次職以降ならどの程度まで問題ないの?」
「ん~。さっき言った通り補正の数値通りやってれば間違いないかな?
後は装備が強くなるほど、装備条件のSTRやVITの値も高くなるからね。
装備を使わないならまだしも、そうでないなら多少余裕を持たせた割り振りにするといいよ。まぁ、MIDはある程度振ることをお勧めするよ?総魔力量にも大きく影響するし、他にも魔法防御や、精神系状態異常耐性なんかにも影響するしね?」
「なるほど。ところでDEXは命中率に影響するってことでいいんですか?」
「ん?DEXは命中率だけでなく、魔法の特性にも関係するよ。
君は〈ファイア・ボール〉を使っていたよね?あれは〈ファイア〉の〈スペル〉で発生した魔法を、魔力操作で形を変更してるだけだけどね?
魔力操作は〈スペル〉の魔力量の調整、DEXは形の変更に大きく関係するんだ。DEXが低いと形を作ってる最中に魔法が暴発したりするから結構重要だからね!
ちなみにINTは魔法に注げる最大魔力量と特性強度で、MIDは想像力の補強と魔法を安定させるのに補正がかかるよ」
「じゃぁ、今までのは〈ファイア〉をボール状にしただけの魔法だったの?」
「そうだね。属性魔法スキルに付与されてる〈スペル〉以外習得してないよね?
前にも言ったと思うけど、〈スペル〉は魔法書、魔術書、魔導書なんかで習得しないと、基本的に増えないよ?〈術〉の枠もまだ使ってないよね?」
・・・言われてみれば、確かにまだ〈スペル〉取得してなかった。
もしかして〈ファイア・ボール〉とか痛い子扱いなのでは!?
「今までの魔法は意味なかったのかな…」
「イヤイヤ!そんなことないよ!魔法の基本的なところから説明しようか。
まず、〈スペル〉に関して。体内の魔力を〈スペル〉特有の魔力路を通して魔法を発生させる。それらの魔法には拡張性が存在するんだ。魔法は基本的にただの現象にしかならないが、〈魔力操作〉によって形の変更や軌道等、想像により様々な特性が付与される。魔法の形を変化させると、性質も一部変化する。
例えば〈ファイア・ボール〉なら、火の玉を想像するよね?
その際、対象に接触すると爆発する想像をしているでしょう?
名前を付けるということは、必要な構成が明確になるから重要なことなんだよね」
なるほど…つまり別な条件で爆発させる事もできるということかな?
意外と重要では?
「あれ?〈エナジー・ボルト〉は形が変わらなかった気がするけど?」
「アーツは〈スペル〉じゃないもの。あれは設計図通りに構築され、目標のみ使用者が指定できる仕様だよ。尤も、消費MPしだいで威力は変えられるけどね?
今回も、アーツなら魔法暴発も起きなかったんだけどね」
・・・マジで?
極振りしたいなら、アーツ使えば問題ないのでは?
・・・もしかして私にとって魔法はいらない子では?
「アディ、アーツなら極振りしても絶対に魔法暴発しないんだね?」
真剣な表情でアディに尋ねた。
「うん、そうだよ。アーツならどれほど極振りしても暴発はあり得ない」
私の発言にアディは断言した。
決まりだな。アーツだけでいけば、ステ振りに悩む必要ないよね!
「うん。決めたよ!私は極振りをする。そしてアーツだけで戦うことにするよ!」
意思から立ち上がって宣言した。
私の宣言にぽかんとした表情を見せ、我に返るとアディは慌てて詰め寄ってきた。
「まって!魔法の方が威力高いんだよ⁉その上敵の弱点属性を衝けば、アーツなんて比べ物にならないくらいに強いんだよ⁉それに、魔法と違って特性を付与することもできないんだから、圧倒的に魔法のほうが有利だ。考え直した方がいい」
確かにその通りなのかもしれない。
でも、ステ振りに悩むのが面倒なんだよね。
さすがに面倒とは直接言えないよね…
「安心してアディ!いざとなったら生産系でレベルを上げて極振り修正するからね!だから極振りでどこまでいけるか挑戦させてほしいんだ!」
(本音:ステ振り考えるの面倒だから、アーツだけで行くので止めないでね?)
「そ、そうか。そこまでの覚悟なら止められないかな?曲がりなりにも私は君の師匠だ!なにか困ったら頼るといい」
そう言い残して悄然としたまま自室に戻って行った。
うん。ありがとうアディ。正直騙した様な感じだけど、アーツだけで頑張るさ!
だってステ振り考えるの面倒なんだもの!
装備だって、今使ってるので不足感じないしね!
早速INT+36っと。
遂にINTが131と、100を超えた。
・・・特に称号こないね。少しばかり期待してたんだけどね。
まぁいいさ。
この際だからいっその事、トアのステも完全に均等になるように振ろうかな?
それだって余裕で同格相手より強いだろうし、万能にした方が面白そうじゃん。
特化したらどこかで詰むのが予想できるからね。
火力は十分足りてるし、暫くは数値を合わせるのを優先かな。
トアのステ振りはとりあえず今回は一度も振ったことのない3種に均等に。
INT/MID/LUCに+24で決定っと。
うむ。悩みもスッキリしたことだし、もう一狩り行こうかな?
ただ、トアが今眠っているから起こすのも忍びない。
散々な目に合わせてしまった手前ゆっくり休ませたいね。
・・・調合作業かソロで狩りかどっちにしよう?
折角だし、調合作業で品質値高めに作る努力をしよう。
在庫は178本だね。
今回は2本分を一度に作るだけにしておこう。
いつも通りの手順で作成…
・・・できた!〈鑑定〉!
【ポーション/6〈1〉】
あれ?思ってたより品質が高くない。
もう一回だ!今度はもう少し丁寧に摺ってみようかな。
"ゴリゴリ"
うん。こんな感じかな。
普段より多めに磨り潰してみた。
後はいつも通りっと。
完成!〈鑑定〉
【ポーション/7〈1〉】
・・・あれ?なんでだろう。
・・・・・・!!!
もしかして、器用値か!
ってか!種族のせいで能力制限付いてるじゃん!
それもコミで考えると、6+補正値〈3〉で〈9〉では?
え~・・・
今後極振り予定だから、スキルレベル上げる他品質上がらない感じかな?
どうしよう?
錬金で数こなすのがスキルレベル上昇に一番効率的かな?
ためしに一回だけ〈錬金〉!
〈鑑定〉!
【ポーション/8】
ん?地味に上がってる。
もう一回!
〈鑑定〉!
【ポーション/8】
・・・錬金のスキルレベル分補正が入ってる感じ?
・・・これ錬金で作ったほうが性能も高いし、レベリング効率高いのでは?
残り174本・・・
前回と同じように40本一気に作って行こうかな。
〈錬金〉!
【ポーション/8】x40
品質上がらんな…
残りも一気に終わらせようか。
結果がこれ!
【ポーション/8】x308
・・・器用値重要なんだね。
あ~どうしよ。一気に終わらせたせいで暇だ…
ソロで行くか?でもレベル上がらんのよね…
・・・墓地ダンジョンならいいかも?
その前に装備の確認をしておこうか。
【初心者魔力使いのローブ】
装備条件:無
装備効果:MID〈+1〉補正
【初心者魔力使いの尖がり帽子】
装備条件:無
装備効果:INT〈+1〉補正
【初心者魔力使いの飾靴】
装備条件:無
装備効果:DEX〈+1〉補正
【初心者魔力使いのバングル】
装備条件:無
装備効果:〈魔力操作〉〈+1〉補正
ステータスの補正は微妙だけど、スキル補正は優秀じゃない?
装備に不足感じてなかったから、武器屋とか行ってなかったんだよね。
トアも仮眠室でまだ寝てるし、先に装備でも揃えておこうか。
◇◇◇
現在、魔法ギルドの受付・・・相変わらず人がいない。
アディは私室に籠ってるし、他に装備の助言をしてくれそうな人いないかな?
受付に誰かいればと思ったんだけど・・・
受付で立ち止まって悩んでいると後ろから誰か来たようだ。
「やぁ?イザナ。何を悩んでいるんだい?」
マー・・・何だっけ?名前を憶えていないけど、少し前に会った人だよね?
魔法使い系の人だった気がするんだけど…
「うん。えっと。装備揃えようかと思って、店の紹介なんかしてくれる人探してたんだけど、受付に誰もいないからどうしようかな?って思ってたとこ」
「ん?それは紹介が無いとは入れない店を探しているのかい?」
怪訝そうな表情で聞き返してきた。
「違う違う。装備自体買ったことが無いから、
魔力使い系のお店がどこにあるのかも知らないんだよね。
良かったらどこら辺にあるか教えてもらえないかな?」
「ふむ?初心者用なら冒険者ギルドで売っているが、
見たところこの間より大分強くなったようだ。
差し支えなければどの様な装備を求めているのか聞いてもいいかな?」
「ん~。装備自体詳しくないので、2次職か3次職まで使える装備でしょうか?」
「2次職まで使える装備なら心当たりは幾つかあるが、
3次職以降は紹介が無いとは入れない店ばかりだな。
ところで装備に求めるのは能力値補正か?それともスキル補正か?」
「どっちがいいんでしょうか?」
「スキル補正だとスキル位階が変化すると、効果が微々たるものになってしまうことが多いからな。基本的に初心者にお勧め出来るのは能力値補正だろうか?
能力値補正にしても短所を補うか、長所を伸ばすかだ。君はどちらの予定だ?」
「能力値補正で知力を伸ばしたいです!スキル補正は今回は見送ろうかな?」
「そうか。装備の補正を全て知力補正にするのか?」
「そのつもりです!長所を最大限活かしたいですから!」
「ふむ。武器は使う予定はあるのかな?」
「杖くらいでしょうか?杖ってアーツに補正付きますか?」
「装備にアーツ補正とは聞いたことが無いな」
「なら、知力補正で一式揃えたいです」
「ふむ。折角だから私が店まで案内しようか。ついてきたまえ」
そういいながらマー何とかさんが先導してくれる。
この人暇なんだろうか?
・・・この人の名前なんだっけ?
◇
NAME:
RACE :ヒューマン《超越種》/16〈6〉
AGE:15 /15〈0〉
※能力制限中:5割減
Job:魔力使い/36〈1〉
Sab:薬士/38〈1〉
残JP〈38〉
HP:45 〈0〉
MP:560〈51〉[+220]合計値:831
SP :80 〈15〉
STR /5 〈〉
VIT /5 〈〉
AGI /5 〈〉
DEX /12 〈3〉
INT /131 〈9〉
MID /12 〈3〉
LUC /5 〈〉
残ステータスポイント〈0〉
スキル
Job
魔力系
〈魔力操作/26〉〈術/26〉〈魔力術/24〉
〈属性適正/24〉
〈火属性魔法/9〉〈水属性魔法/4〉〈風属性魔法/14〉〈土属性魔法/4〉
〈光属性魔法/4〉〈闇属性魔法〉 〈無属性魔法〉
生産系
〈調合/15〉〈錬金/11〉
Status
〈器用強化/2〉〈知力強化/2〉〈精神強化〉
Common
〈採取/14〉〈植物知識/2〉〈鑑定/16〉〈識別〉
Unique
『扉』:〈放浪書店〉
『種族』:〈眷属創造〉〈王権〉
称号
〈術〉の入門者/2〈1〉:MPに〈術〉x10の追加補正
〈魔力〉の入門者/1〈1〉:MPに魔力系スキルx10の追加補正
〈火属性〉の入門者/1〈1〉:火属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈水属性〉の入門者/1〈1〉:水属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈風属性〉の入門者/1〈1〉:風属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈土属性〉の入門者/1〈1〉:土属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈光属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈闇属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈無属性〉の入門者/1〈1〉:光属性使用時、消費MP:〈1〉減
〈魔法使い/見習い〉/1〈1〉:魔法スキル使用時、消費MP:〈1〉減
〈アドリアーナの弟子〉/1〈1〉:MPに+10補正
※消費MP:〈1〉以下にはならない
〈超越者〉/1〈1〉:〈種族能力・種族スキル〉解放
《成長の成約》:必要経験値固定。進化前種族値の必要経験値と等しくなる。
《始祖の血脈》:眷属最大数増加。眷属〈成長・進化〉解放。
《無欲の大罪》:自らに全能力値減少補正〈大〉/眷属の能力値上昇補正〈大〉
《王権の起源》:眷属素材解放。眷属創造解放〈最大数=種族値に依存〉
《無辺の願望》:眷属の数により、本人+眷属に補正。
眷属
ウルフ〈幼体〉/31〈0〉
HP:348〈174〉
MP:261〈126〉
SP:348 〈174〉
STR /42 〈21〉
VIT /36 〈18〉
AGI /42 〈21〉
DEX /36 〈18〉
INT /29 〈14〉
MID /29 〈14〉
LUC /29 〈14〉
残ステータスポイント〈0〉
スキル
肉体特性
〈牙〉〈爪〉
戦闘系
〈警戒〉〈索敵〉〈奇襲〉
称号
〈孤狼奮闘〉:SPに追加補正+回復補正〈敵数x0.01%〉 ※戦闘終了まで効果持続
〈孤狼の誇り〉:単体での出撃時、獲得経験値上昇
〈格上殺し〉:位階が格上の対象との戦闘時、追加補正〈位階差xステータス÷2〉
〈縦横無尽〉:対象を認識中、〈スキル・称号〉効果継続時間延長※最大SP÷10/分
〈幼狼の誇り〉:成長時、進化先に補正
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます