求人募集
俺は周りの警戒をゴブリンソードに任せ、地べたに座り込む。
意図しては居なかったが、ゴブリンソードのおかげで睡眠をとる事が出来るようになった。正直、睡眠が必要なのかは怪しいが、無駄にエネルギーを消費するよりは寝ていた方がいいだろう。
この体は動くのに飯では無く、魂を必要とする。憑依させるか、食べるかの二択になる訳だ。武器すら支給されてないゴブリン君には悪いが、テーブルの上に置かれたディナーみたいなものだ。腹が減ったら有難く頂くとしよう。
俺は休憩がてらに、情報は全て確認しておくことにした。
まずは武器だ。
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ポイント:30
【武器】
青銅の剣:500P
鋼の剣:1000p
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変化無し。
レパートリーが増えるとも期待しているが、何故だろう、それが叶う気がしない。
魂抜けのゴブリン一匹で30ポイントだから、15匹ぐらいのゴブリン先輩を屠れば、青銅の剣を買ってゴブリンソードを作れる訳だ。
見張りにゴブリンソード一本では不安だ。
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種族:魂人形Lv1
名前:ゴブリンソード
スキル:
称号:
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親切にもゴブリンソード後輩のステータスは覗ける、しかし、レベル以外の指数が無い、優秀かどうかも不明だ。
元はゴブリンって事を考えるとポンコツ新人と考えて動く事の方がいいだろう。
それでも新しく部下を増やす事を最優先事項としてやっていこう。
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ポイント:30
【防具】
皮の鎧:500P
青銅の鎧:1000p
鋼の鎧:1500p
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皮の鎧ぐらいは欲しい。
でも高いなぁ。
念のため、必要備品として皮の鎧を申請してみる。
【申請は否定されました】
予想通りの返事だ。
この返答の速さはごねても無駄だな気がする。もう少しダンジョンに貢献してから申請する事にしよう。
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ポイント:30
【アイテム】
下級ポーション:500P
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すくなっ。
これが民営だったら即潰れる。完全に企業努力をわすれた国営の過疎遊園地だ。
うちはこれ一本で勝負してんます! なんて店は稀にあるが、どことなくそんな強気な姿勢は感じられない。
悲壮感すら感じ取れるぐらいだ。
俺はさっと次の項目に移る事にした。
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ポイント:30
【スキル】
ソードスラッシュ:1000P
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また一本勝負。
少ないうえに高い。
強いかもわからない。
技の名前からして迫力を感じない。
安い、早い、美味い、の牛丼は偉大だったのだとここに来て実感した。
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ポイント:30
【情報】
階層案内
ビジョン・理念
ダンジョンの歩み
ダンジョンの事業
採用情報
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悲しいかな、一番充実している。
今まで散々な体たらくを見せられたが、ここだけは信念を感じる。
俺は迷わず採用情報を覗く。
他の同僚がどんな条件で契約しているか興味がある。その結果次第では待遇の改善を求めなくてはいけない。
先に散ったゴブリン先輩の為にも備品として青銅の剣くらい欲しいもんだ。
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【採用情報】
総合コース
設備保守コース
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意外や意外、2コースだけだ。総合コースが出世道なのは間違いないだろう。とりあえず自分の上司達の待遇でも覗くとしよう。
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【総合コース】
・コース概要
ダンジョンの中核を担う社員として、領域を定めず幅広い分野で事業を推進。人間領を含むダンジョンの各事業、部門で活躍をしていくコースです。
・応募資格
コミュニケーションがとれる方。
・勤務地
全国
・異動の可能性
全国転勤あり。
・初任給
なし
・勤務時間
0:00〜24:00
・昇給賞与、手当、休日、休暇
なし
・福利厚生
24時間営業ショップが使い放題。
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ブラック企業も裸足で逃げ出すラビリンスクオリティー。
明らかなエリートコースの謳い文句にも関わらず、人生の全てを捧げて見返りは福利厚生のゴミショップのみ。
これ契約にサインした奴らには同情を禁じ得ない。もしかしたら社長もこのコースなのかもしれないな。
もう採用を見るのはやめておこう。
エリートでこれだ。
末端の俺達の情報を見れば暗くなるだけだ。知らない方がまだマシってもんだ。
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【階層案内】
地下一階:
地下二階:
地下三階:現在地
地下四階:
地下五階:
地下六階:制作中
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もっと細かい情報を教えて欲しいもんだ。せめてマップぐらい欲しい。
この情報から得られる有益な事は、俺らが地下三階にいて、社長は恐らく五階か六階にいるって事だ。
社長に挨拶に行った方がいいのだろうか?
こっちの世界の常識はわからないが、行かないよりは行った方がいいだろう。
もしかしたら待遇が良くなる可能性もある。
そうと決まればすぐ向かおう。
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