日常? 32
焦点が合わない。今、何を考えているのかさえ分からない。呼吸と心拍数だけが乱れている。
昨日突然転校生が現れて、そしてその人物は自分は違う世界の住人だと言い放った。もし仮にそれが本当ならば、現実離れしすぎている。そんな世界、あるはずがない。
「──本当に信じてくれてないんだね。まぁ、とーかにとって私は、昨日今日の関係だからね」
「……あなたは、何なんですか?」
突然敬語に戻る透花。
「言ったじゃん。友達だよ。……その手紙に何が書いてあるのかは分からない。だけど、あなたにはあなたの世界がある。あなたの信じる道を歩きなさい、とーか」
真っすぐで穏やかな瞳を向けられる。
次第に小さく頷きながら、透花は自分宛ての手紙を受け取った。
「何が書いてあるか分からないの?」
「ある程度予想は出来るんだけど、何が書いてあるかまでは本当に分からないよ。私宛の手紙なら、私が読めるんだけどね」
「予想……か」
占いも出来る人物から、予想しか出来ないと言われたようなもの。まぁ占い自体も、当たるも八卦当たらぬも八卦というし、それはしょうがないのかもしれないが。
「どうする? 今読んでみる?」
「……いや、いい」
というか読む気にならない。なぜだろう。一人の時に読みたい気分だ。今じゃない。
ぱたんと仰向けに倒れる透花が、何かを発見した。天井に、何か紙が貼ってある。
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