夏休み11日目

目が覚めると、僕は病院のベッドだった。

どうやら僕は丸1日眠っていたらしい。


「永遠!良かった…あの時と同じだから焦ったのよ…」


あの時?母の言う言葉がいまいち理解できなかった。海に行った日の結愛の言葉。母が言うあの時。


僕は何を忘れている?


「幸い明日には退院できるみたいよ」


明日…いや一刻もはやく思い出さないと。きっと、大事なこと。結愛に関することなんだ、海で言っていた覚えてないよね、の言葉。海…なにかがひっかかる。思い出せそうなんだ。前も僕は海の中に入って…


「お母さん、僕って誰かと海に行ったことあったかな、」


「永遠?どうしたの?」


「僕は何か忘れてるんだ、海で、結愛に言われたんだよ…!」


結愛の名前を出した瞬間、母の表情が変わった。


「結愛ちゃん…?思い出したの?」


「なにか知ってるの?結愛のこと…もう少しなんだ、海で結愛に覚えてないよね、思い出さないよねって。それを言われてから頭が痛くなって…」


「…結愛ちゃんの話は、永遠が自分で思い出さないとだめよ。私が教えたら意味が無い。」


「うん…そうだよね、思い出すから、自分で、頑張るよ。」


そう僕は固く決意した。

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