第23話.女王への準備④
手にした鞭で何体かモンスターを倒した
「もっと楽しみたいかもだけど、みゆりにこの世界の女王になってもらうためにやって欲しいことがあるので一旦、街に帰るっす。またいつでも来れるから」
ケロッキーがみゆりに言った。
「そうだね。わたしも腕を振り過ぎて疲れたとこだし」
みゆりが街へ戻るとケロッキーにある場所へ向かうように指示をされた。
「……ここは?」
「メタアース内のボクの家兼仕事場っす!」
ケロッキーが答える。
そこは周囲が薄いピンク色に彩られたオフィスのような洒落た空間。
壁には沢山の金色のコインが舞い踊る映像が流れていた。
「ここでメタアースを管理してるわけ?」
みゆりが訊いた。
「いくつかのメタアースの管理施設の中でも、ここはケロコインを管理している場所。ここの役目をボクの代わりにみゆりにやって欲しいっす」
「役目?」
「ここはみんながモンスターを狩って得た円をレートに合わせてケロコインに変える、いわば両替商なんすよ」
ケロッキーの答えにみゆりは少し戸惑った。
「えっ、両替商?? そんなのわたしにできるの?」
「それは心配ないっす。みゆりはここの責任者として名前を出すだけで、両替とか対応とか面倒なことは全部AIが自動でやってくれるから。みゆり何もしなくていいっす。しかもみんなが交換したケロコインのうち2パーセントが手数料としてみゆりのものになるっすよ。つまりここの責任者になるだけで勝手にどんどんケロコインが貯まっていくっす。どうっす? 良い話っしょ?」
「マジで?? でもそれでわたしが女王になれんの?」
「そりゃメタアースを楽しむために必要なケロコインの管理者っすから。この世界のトップみたいなものっすよ」
「ふぅん、そうなんだ。じゃ、やってみようかな」
みゆりはケロッキーの話をなんとなく聞いていたが、この世界の詳しい仕組みや難しいこと等はわからないので、とりあえずケロッキーに任せてわたしはただ従っておけば良い、そう思うことにして自分を安心させた。
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