2話、自称神
「聖女様!?」
(いやいや、あの子は天女でしょ)
僕はこの時、彼女に一目ぼれをしてしまった。
「うむ、彼女はこの世界で天然チート持ちの1人じゃ。」
「神様!!この聖女様と冒険したい!!あわよくばお付き合いも…♡」
「今は《・・》無理じゃな。」
「え!!何故!!!」
僕はモニターから目を放して、両手で神様に両肩を掴み、力いっぱいガクガクと揺らした。
「や…や…や…やめ…んか…。」
僕は揺らすのを止めると、気持ち悪くなったのか、手で口を押え【ウップ】と言い、何かを我慢していた。
(あ、揺らし過ぎてリバース寸前だ。)
「・・・・・しばらく見ていれば分かるぞ」
僕は自称神の肩から手を放しモニターを見ていると、金髪の金ぴか鎧を着たチャラそうなイケメンが、聖女様に近づいて来てニヤニヤしながら話していた。
「なんだこいつ!!馴れ馴れしい!!」
「こいつは勇者じゃ。」
「はぁ?こいつが勇者?ただのナンパ野郎の間違いでは?」
「勇者で間違いないぞ、彼もまたこの世界の天然チート持ちの一人じゃな」
「こんなチャラそうなのが勇者ってのも世も末だ。」
「まぁ同意見なのだが、⦅スキル⦆は人を選べんからな。」
「やっぱり⦅スキル⦆もあるんだ。」
とモニターを見ていて少し気になる点を見つけた。
「聖女様の顔は笑顔だけど、なんだか引きつった笑顔?」
嫌な顔を必死に笑顔にしている?
「まぁそうなるじゃろうな。」
「どうゆうこと?」
「うむ、聖女はこの旅を最後に、冒険者を止める事になっており、神聖国に戻りこの勇者とイヤイヤだが政略結婚をすることになっておるのじゃ。」
「え!!イヤイヤで!?政略結婚!神の力を使って辞めさせられないの?」
「無理じゃな、我々管理者も、そろそろ聖女には結婚して聖母になってもらう事が決定しておるのじゃ。」
「そんな!僕と年齢が変わらないように見えるのに・・・」
「あの聖女は22歳だぞ、しかもあちらの世界では行き遅れの方だぞ。」
「え!!22歳!7つも上だったのか!」
「うむ、まぁ本人はこの結婚は不本意だからの~、あのような顔にもなるじゃろうて。」
「なら!僕が代わりに結『それも無理じゃ!』婚・・・」
僕はジト目で自称神を睨む。
「仕方ないじゃろ、勇者の奴が外堀をガッチリ埋めて逃げられんようにしてしまったからな。」
「そんな~彼女を諦めたくないよ…できるなら一緒に冒険をしたり、買い物に行ったり、あんなことやこんなことをしたいのに…」
「だから、
「へ?
「彼女が冒険者になりたての時なら可能性がある。」
「え!!行けるの?」
「うむ、行けるとも、ただし、いくつかの条件が付くがの、まず強力なチートは諦めてもらうぞ?なにせ7年前にお主を送るだけで膨大な力が必要じゃしな、その上強力なチートとなると、わしの力を大きく上回るのじゃ。」
「次に転生じゃ、聖女と同じ年齢になるような過去までは送れん、これも力が足らん、7年前に魂を移転とゆうことになるのじゃが、お主は今、魂だけの存在じゃからな、体を用意せねばな。」
「今、わしができるのは、7年前に魂を転移し用意する肉体に入れることと、《言語スキル》と、
「
「うむ、剣だと《強斬撃》とか《受け流し》じゃ、魔法だと《魔法強化》とか《魔力強化》だが、さっき見た戦闘にはついていけんぞ、鍛えても途中で脱落する。」
「なにせ強力な成長系の《スキル》、《勇者》、《賢者》、《聖剣士》、《大魔法使い》、などを持てないのじゃからな。」
「そんな~・・・」
「安心せい、《荷物持ち》、《サポーター》なら大丈夫じゃて。」
「本当!!それでいいです!!」
「なら決まりじゃ、あっちに行って自分の《スキル》を確認するがよい、確認方法は自分の胸に手を当て、目をつむり意識を集中すると見えるぞ。」
「はい!!ありがとうございます!」
「では送るぞ、たしゃでな。」
「はい、神様もおたしゃで。」
僕は光に包まれてその場所から消えた。
「ふぅ~、終わった、力を使い過ぎたの、後はあ奴に任せてわしは100年程度眠るかの。」
足からだんだん薄くなっていく。
「新崎友哉君すまんな、本当は聖女を勇者から守ってもらうためこちらに呼んだ、事前に用意しておったが一部の《スキル》が制限されてしまったようじゃ…、命にかけて守ってやれ。」
と言い完全に消えた。
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