第2話 珍客
6月、僕の働く弁当やは今日も穏やかである。
昼と夜の時間帯以外は弁当やは暇なのである。
そんな暇な時間、バイト休憩所にある椅子に座りながら、商品の発注書を書いていた。
プルプルと店の電話がなった。
小走りでバイトの小野田が電話にでた。
すこしたつと小野田が電話を持ちながら「店長、なんかクレームの電話みたいなんですけど」と小声で話しかけてきた。
「クレーム?、かわるよ」といい、僕は小野田から電話を受け取った。
クレームの電話は時々ある。
ごはんが固いやデリバリーで注文してきて、さめているとか、味が濃いなど多様なクレームがある。まあ、店長なので対応しなければならないが、いつも思うのが「よのなかにこんなにクレーマーが多いのものなのか」と毎度思う。
さあ今日のクレームは何かなと気合をいれて電話にでた。
「お電話変わりました、店長です」とわたしがいうと電話越しからか細い声で「
店長さんですか。あのー、」以外だった、だいたいクレーマーの声はのぶい声か甲高い声だからである。
「自分は昨日お弁当をデリバリーしたんですが、なんか今食べようとしたら、結構匂いがきつくて、何使ってるんですか?」という内容だった。
「昨日の弁当を今から食べるってことですか?」と僕は思いもしないクレームだったので聞き直した。すると向こうは「はい、あのー昨日酔ってって、お弁当を友人がいたずらで外におきっぱにしてて、いやまあ、酔ってた自分が良くないんですけどー」
私はつい「いや、自分が良くないって自覚してるんかい!」と突っ込みえを入れそうになったが「やはり、生ものですので、当日に食べて頂いた方がよいかと」と答えると「ですよね、すいません。」と言いながら、電話がきれた。
僕はなんだかいつもと違うパターンのクレームでよくわからず、「自分が悪いと思いながらも電話してきて、そんなに弁当楽しみにしてたのかな」となんだか消化不良を起こしていた。
たまに、変化球を投げてくるクレーマーもいるが今回のタイプは初めてである。
次は弁当冷蔵庫にいれてくださいねとでもいえばよかったなあと思いながら、僕は
せきにもどった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます