7
この場所はどこで、時代はいつなのか。
場所はどうやら、彼女の記憶にある彼女自身の国である、つまり凍刑を実施した国であることに間違いはない。だが、時代がいつなのかはわからないらしい。
コンピューターには日誌が記録されていた。残念なことに、その日誌は西暦二三九八年十二月二十三日で記録されることをやめていた。しかも内容からもその日の業務内容がわかるだけで、人類に何が起きたのかわからない。その日付の日も何か劇的な変化があるわけではなく、作成者の愚痴を含んだその日の活動内容が記されているだけだった。
その日付が何を意味するのか、それを知る方法はない。そして、それからいったいどれくらいの月日が、年月が経過したのかを知る手段もない。
地下の食料庫には、少なく見積もっても数十人を数年賄えるだけの食料が保管されているそうだ。彼女が目覚めて間もないころはそれで飢えを凌いでいたらしいが、食料の中に食材の種があることを発見してから、外の土地を耕し、自給自足をするようになった。
不知火雪と話すうちにだんだんと私の発音もはっきりしてくるようになった。その日眠りに就く前には違和感がないほど流暢に話せるようになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます