おばさんは「恥ずかしい」を克服しやすい

 エッセイは、まだ服着てるんですけど、小説は妄想全開ですから、脱いでます。(←比喩的に)登場人物も、よく脱いでます。(←これは比喩じゃなく)エロシーンとか、この歳になったから書いて投稿なんてできてると思います。まだ恥じらいのあった20代じゃ無理でした。


 さて、娘は緊急の帝王切開で生まれたんですが、そのあとで生んだ息子は自然分娩でした。二人ともロンドンで生みました。当時のイギリスでは「一度、帝王切開を経験した人でも、リスクが低い限りは自然分娩で生みましょう」と政府が奨励していました。おそらく、今もそうだと思います。その名も「V Back」。VサインのVとヴァギナのVをかけてます。ってもう、うまいんだけどさ、身も蓋もないですよね。


 で、息子を「V Back」で生んだわけですが、やはり普通の人よりもリスクが高いため、分娩の際に、いろいろな専門家がサポートしてくれました。(ちなみに、イギリスでは公共の医療費は全て無料です。)24時間以上かかり、「やっぱり帝王切開にしようか」となりかけたんですけど、なんとか自然分娩で生めました。


 ラストスパートのとき、助産師さんや麻酔師さんや看護師さんなど、医療関係者の方々が6人くらい立ち会って、応援してくださったんですよ。夫が私の手をにぎってくれてました。24時間以上、寝てないですからね。麻酔してもらうまでは、20時間くらい痛かったんですからね! もうフルマラソンやった後くらいにヘトヘトです。なので、医療関係者の方々も、フルマラソンで、最後のトラックを走るランナーを応援してる勢いです。


 名前も知らない、大の大人が6人くらい、肩を寄せ合って、「あと一息!」「You can do it!」とか言いながら、一生懸命応援してくださるわけです。感動的です。


 でもね、みなさん。その名前も知らない医療関係者の応援団が、手に汗にぎって見てるのは私の顔じゃないんです。私の◯◯◯なんです。


 そのとき、私はもうろうとした意識の中、すっごい感動してたんですけど、「シュールだなぁぁぁー。」て思ってました。だって、たぶんあのメンバーの誰一人、私の顔を覚えてないと思います。

 

 ま、そんな経験をしちゃうとさ、「恥ずかしい」を感じるハードルがめっちゃ上がりますよね。妊娠・出産を経て、私はエロシーンが堂々と書けるようになりました。(規制があるのでソフトではありますが。)今でも少し恥ずかしいんですけどね。


「恥ずかしい」の最高峰は、個人的には「自慰行為」だと思うんですけど、これを映画とかでやれる役者さんは、ほんとすごいなと思います。私は、それはまだ書けてないです。誰にも書けとか言われてないですけどね。

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