自分の常識が常識じゃないとき

 私は、世の中の人みんなが自分と同じような価値観だと思ってるきらいがあります。頭ではわかってるんですよ。そんなこたぁない、てこと。でも、自分と違う価値観の人に会うと、「あ、そうだった。こんな価値観の人もいるんだった!」と、毎回めっちゃくちゃびっくりします。


 価値観の違いに反感を覚えるというよりは、そんな価値観の人がこの世にいたということを、すっかり忘れていた自分におどろきます。知らないうちに、価値観の違う人は脳内から抹殺してるんですよ。どひゃ〜。


 例えば、私が住んでいる街は、人種のるつぼです。人種差別の問題は、みなさん意識高めです。なので、大手をふって人種差別してる人のほうが、どんな人種の人よりも差別されます。「人種差別者=人間じゃねぇ」みたいな勢いです。


 ま、そういう環境なので、ほんっとに会わないんですよ、人種差別者。で、これ言うとボコられそうなんですけどー……。私の基準では明らかに人種差別と思われる発言をね、(小さい声で)日本の親戚や友人がすることがあります。


 悪気はないし、決して悪い人じゃないし、どっちかというと思いやりがあって高学歴、みたいな人が、ドッキドキの人種差別発言をしたりして、私は毎回びっくりします。「あー、忘れてたー!」と。


 価値観の違う人に対して、プンスカ怒ってる人もいるじゃないですか。これねー、まだマシだと思うんです。ちゃんと存在を認めてるわけですから。私みたいに、自分と似たような価値観の人ばかりとつきあって、そうじゃない人が脳内に存在しないって、こわいなぁと思います。


 ま、そんなんですから、小説やエッセイも、悪気なく、自覚なく、自分の主観を入れまくって書いています。で、たまに「こういうふうに考える人もいるんだ!」と目からウロコが落ちるようなコメントをいただきます。特に、恋愛観に関しては、私はどうも「一般的」ではないということに気づきました。これはかなり貴重な体験でした。


 これからも、びっくりコメント欲しいです。執筆にも活かせそうです。それで、私の価値観が変わるってわけでもないんですけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る