世にも奇妙な親バカの話
世の中には、二種類の親がいます。親バカな親と、そうじゃない親。そうじゃない親は、おそらく親人口の2パーセントにも満たないです。(自分調べ)
娘が生まれたとき、夫婦そろって絵に描いたような恥ずかしい親バカになりましたが、夫は、かげで他の子をディスってまで我が子を賛美する、ちょっと感じワルぎみの親バカになりました。
夫「やっぱ、うちの子が一番かわいいな。」
私「ま、我が子だからね。」
夫「いや、客観的に見てさ。」
私「……。」
親が我が子に対して、客観性を保てるわけがなかろうが! 親の98%はこっそり「でも、うちの子が一番かわいい」て思ってるんだよ! っていうか、私の弟も、子どもが生まれたとたん、「知り合いの赤ちゃんとかわいさを比べて、今7連勝中♡」とか、おんなじこと言ってたァァァ! 親がバカなのか。男がバカなのか。相乗効果で、男親が一番バカです。
さて、夫がとりわけ陰で私相手にディスってた近所の女の子(仮にアンちゃんとします)がおりましてね。その当時、まだ0歳。0歳児なんて、みんな天使のようにかわいいと思うんですけど、夫はアンちゃんの顔を見て「あんな顔の赤ちゃんだったら、自分は子育てに耐えられなかったと思う。赤ちゃんがブサイクだと親がかわいそうだね。」なんて陰で暴言をはいてました。
で、そのブサイクな(夫談)アンちゃんのママと、ひょんなことからママ友になりまして、近所のカフェで、アンちゃん親子三人と、私たち親子三人で、一緒にブランチをすることになりました。
初めて、アンちゃんのお父さんとご対面だったんですが、とっても人の良さそうなナイスガイ(仮にリチャードとします)。リチャードさんにとって、アンちゃんは初めてのお子さん。そして女の子。やはり親バカでした。
リチャードさん、ちょっと打ち解けてきたかと思うと、自分のスマフォで、アンちゃんのベストショットとか、動画とかをさ、見せてくるんですよ。アンちゃん本人がそこにいるのに。
そいでね、ちょっと小さい声でコソッと「赤ちゃんがブサイクだと、親はかわいそうだよね。アンがこんなにかわいいから、僕は睡眠不足でも耐えられるよ。」とリチャードさんは言いました。
夫婦一緒に、う、と言葉につまった一瞬でした。
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