メルボルン的JK、いやDK、もうわかんない
おとなりに、高校生の兄妹が住んでいます。お兄ちゃんが16歳で妹さんが14歳です。
で、妹さんが、最近妹さんじゃなくなったんです。ジェンダー的に。でも、弟さんでもないんです! ジェンダー・ニュートラルになったそうです! ダダーン! つまり、男性でも女性でもない、中性(?)です。
日本のアニメとか好きな、かわいい顔の14歳。親からもらった名前はアシュラちゃん。この度、ジェンダー・ニュートラルを宣言するにあたり、アシュラからブレアに改名しました。ブレアは男でも女でもいける名前です。
ご両親は、別にアーバンな感じでもヒッピーな感じでも、とりわけ進んでる感じでもないんですが、ブレアさんの「自分はジェンダー・ニュートラルである」という認識を全面的にサポートしています。ブレアさんも、真面目ないい子で、言動もいたってふつう。でも確かに、2年ほど前に引っ越してきて、初めて会った時から、女の子か男の子かわからない雰囲気の子どもではありました。
で、英語はいつもSheとかHeとか、誰かの話をするときに、性別をはっきりする必要があります。
例えばブレアさんがクリスマスに帰省する場合、「クリスマスに帰ってくるよ。」と主語を抜いたりできないので、「彼・彼女はクリスマスに帰ってくるよ。」とHeか Sheを入れねばなりません。ブレアさんがトランス・ジェンダーで、女性の体だけれども、本人の認識は男性だという場合は、Sheの代わりにHeを使えばいいんですけど、ジェンダー・ニュートラルの場合は、どうすんだ、て話ですよ。
答えは、Theyを使うんです! えー! びっくりした? え? 知ってた? 私はつい最近まで知らなかったです。というか、こういうこと、やりだしたのが、多分けっこう最近です。
でもさ、Theyって複数形じゃないですか。なので、一個人の話なのに、複数形なんですよ。じゃあ、動詞はどうすんの? 三単現のSはつけんの? Be動詞はどうすんの? They isとかいうの? て、いろいろ疑問だらけなわけですたい。
ブレアさんがジェンダー・ニュートラルを宣言したタイミングで、実は、私の職場のウェブサイトでも、He/She表記を Theyに変えるように上からお達しがありました。おそらく、タイムリーな話題なのかと思います。英文で主語の性別がどちらでもいい場合、He/Sheとやったりすることがあるのですが、それだと、「男や女じゃない性別の人に差別的だ」ということで、最近はTheyにするところがでてきてるみたいです。
んで、結局、職場では、一個人の話をするときでも、Theyプラス複数形の動詞(例 They are)でという決まりになってます。ちなみに、性別が男か女ではっきりしている場合は、今までのまま、HeやShe表記です。
ジェンダー・ニュートラルがこんなに身近にいたとは。そして、言語って生き物なんだなぁと、身をもって知ったできごとなのでした。
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