時間かければいいってもんでもない

 小説と油絵は似ているなーと思います。


 実は、私は油絵とかやらないんですけど(笑)、油絵は何度も何度も上から重ねて色を塗ることができるので、延々と描き直し続けれますよね。何度も塗り直して、「こんなんでいっか。」といったん完成させても、また数日後にはチョコチョコ塗り直してしまう……みたいにね。水彩画だと、こんなふうに描き直せないので、かえって完成させやすそうです。


 小説は水彩画よりは油絵に近い気がします。油絵を延々と塗り重ねるように、自作を繰り返し改稿して、完成させる作者さんが大半なのではないでしょうか。


 過去の作品の改稿を始めたのですが、書き直しているうちに、ぜんぜん違う作品になってきました(笑)。新作と言ってしまって全く問題ないレベルです。


 なので、二稿目っていうより、初稿です(涙)。ってことは、またこれを何回か改稿せにゃなりません。「原型とどめないくらい改稿しよう」と思ってはいたんですけど、ここまで変形するとは思ってなかったです。


 いつ完成するんだろ〜(笑)。絶対に締め切りに間に合わない気がする〜。そしたら、違う公募に出すか、次の年までネチネチと改稿を繰り返すかですね。


 でさ、時間かければいいもんができるってわけでも、ないですよね!(どどーん!)


「量をこなすことは、質への過程」だと信じているんですけど。(だって信じるしかないですから!)だからといって、一番時間をかけた作品が、一番いいってもんでもないのが小説を含むあらゆる「作品」の不思議なところな気がします。


 あるオーストラリア人の絵本作家で、10年くらいかけて完成させた作品でデビューされた方がいるんですが、デビュー作はあんま売れなかったそうです。その後、2ヶ月で仕上げた2作目が大ヒットして、代表作になりました。商品価値で作品の価値が決まるわけではないですし、10年かけたデビュー作があったからこそ、2作目が生まれたのだと思いますが、それでもいろいろなことが、「時間かければいいってもんでもない」んだろうなと思います。


 カレーでも、3日煮込んだものより、箱の通りに30分くらいで作ったやつのほうがおいしいときがあります。


 仕事でも、思いつきで、ささっとできたものが評判よくて、何度もやり直したアイディアが結局ボツになったりとかありますからねー。時間をたくさんかけて、いいものができることも、もちろん多々ありますが。


「時間かけて、マズいもんができるんじゃないか。」と執筆中に不安になることはありますが、おいしくなると信じて、突き進むのみです! 飽きるまでは……。

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