ゆかいなユダヤ人事情
昨日のエッセイで「夫がユダヤ人」という話をしたところ、インテリ芸人の肥前ロンズさまから、以下のようなナイスなコメントをいただきました。
え、旦那さんユダヤ人なのです!?
そ、それはどれぐらいユダヤ人なのですか!? 反芻したり蹄が別れてる奴しか食べちゃいけないとかそういうガッツリ系ですか!?(無作法に聞く)
えー、上記のコメントは突っ込みどころが満載すぎて、どこから始めたらいいのか分からないくらいなのですが、短く言うと「ウチのはガッツリ系じゃないです」。
そもそも、ガッツリ系のユダヤ人は、ユダヤ人としか結婚しないので、日本人の私と結婚はしてまっせん。
ユダヤは民族でもあり宗教でもあるので、いろいろややこしい風習だとかルールだとか、ガッツリ守ってるユダヤ人だとか、ルール自体を知りもしないけどユダヤ人だどか、いろいろと愉快な事情があります。
この辺をがんばって全部説明しようとすると、「ゆかいなユダヤ人事情」とかいうエッセイを別で連載し始めなければなりません。連載をもう一個増やすと死んでしまいそうなので、ちょこちょこ、ここで小出しにしていこうかと思います。
えー、コメントに戻ります。「反芻したり蹄が別れてる奴しか食べちゃいけない」というルール。実はかしこまりこは聞いたことがありませんでした! 「肉を調理するキッチンとその他のものを調理するキッチンと、キッチンが二つないといけない。」とか、「既婚女性は頭髪を剃ってカツラを被らないといけない。」とか、「男性はクルクルの髪とお髭を長く伸ばさないといけない。」とか、びっくりルールの多いガッツリ系ユダヤ人。肥前ロンズさまのコメントのようなルールも、あるんでしょうね。ごめんなさい。知らなくて。
ウチのはかなりリベラルです。どのくらいリベラルかっていうのがわかるエピソードがあります。
夫のお母さん、つまり私の姑は、カトリック教の親友がいます。カトリック教では、子どもが生まれると、親しい友人や親戚の中から、子どものゴッドファーザーやゴッドマザーを指名する風習があります。ゴッドファーザーとゴッドマザーは親に何かあった時に、その子どもの後継人となって見守る役目を約束します。
私のユダヤ人の姑は、カトリックのお友達の子どものゴッドマザーになりました。それを認めた当時のカトリック教の神父さんもリベラルだったんだろうなと思います。カトリック教自体がそのへん寛容なのかな。(←よく知らない。)
ゴッドマザーの大切な役目の一つに、「その子どもがちゃんとカトリックの教えを守るように導く。」というものがあります。なので、私の姑は「親友の子どもたちが、カトリックの教えを守るように指導しなくちゃいけない、ユダヤ人」なのでした。
私の夫は豚肉製品をこよなく愛し、「神なんて信じてない。」と断言してはばからないガッツリとリベラルな、でもユダヤ人です。
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