アイディアは捨てるもの

 私の働く業界では「アイディアの多くは捨てるもの」という認識があります(たぶん)。


 ここから先は、特に私と同じような業界で働いている方からすると、アルファベットのABCくらいの基礎知識かもしれません。先に謝っておきます。


 新しい商品やサービスを開発する際、以下のような手順を踏むことが多いです。(めっさ大雑把ですよ!)

 1 アイディアをたくさん出す。質は問わずに量を出す。

 2 たくさん出たアイディアの中からいいものを選別する。

 3 選別されたアイディアを、なるべく早く安くプロトタイプにする。

 4 プロトタイプを使ってユーザーテストをする。

 5 反応がよかったプロトタイプを改善して市場に出す。


 んで、市場に出す際も、完璧に作り込んだものではなくて、「ちゃんと機能する」くらいの段階で出しちゃいます。実際の顧客の反応を見て、商品やサービスをどんどんライブで改善していきます。


 有名なところではグーグルさんがよくやる手法で、デジタルのソフトウェアなどは基本このように開発されていると思います(たぶん)。


 このやり方が、私はとても好きなのです。アイディアが外れてもいい。失敗してもいい。完璧じゃなくていい。ベストではなく、どんどん進化するベターを。という感じで、顧客も含めてみんなでチームになって、どんどんモノが良くなっていきます。


 カクヨムを始める時に、このやり方で小説を書いてみようと思いつきました。厳密にはグーグルさんとかのやり方と違うとは思うんですが、「とりあえず10個書く。→読者さんの反応が良くて自分の好きなヤツを選ぶ。→書き直す。→ちゃんとフィードバックくれる人に見てもらう。→書き直す。」ことにしました。それが良いのか悪いのかは分からないんですが、私のメンタルには優しい方法に思えました。だってさ、今書いてる作品が面白くなくても、いいんだもん。他の人が手伝ってくれるんだもん。ユーザー目線ってやっぱ気になるんだもん。


「とにかく数を出す」とか「読者さんの反応を見て改善する」とかいう点でいえば、同じような形で執筆してらっしゃる方も結構いらっしゃるかもしれません。水ぎわさんのコレ(https://kakuyomu.jp/works/1177354054921720581)とか、まんまそうですかね。


 参加型でライブの創作という意味では、連歌なんかもこれなのかな? グーグルさんとか出さなくても、広義では昔から多くの人がやってる方法かもしれませんね。


 今「新しい」と思われているようなことが、「アリストテレスも同じようなこと言ってたよ」なんてこと、あるよね〜。

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