リスボンが好きなのに嫌いだと思われた件 その2

 Aと言ったのにBと言ったと思われてしまった場合、誤解を解く方法として「Bとは言ってないよ。」と言って、相手の不理解を責めてしまうのは悪手ですよね。


 職場ではもういい大人なので、私はそんな子どもっぽいことはしません。たぶん。一度目で伝わらなかったときに一番簡単で効果的な方法は、もう一度「Aですよ。」と言うことだと思います。そのときに、言い方を工夫してわかりやすく改善させればなお良い。


 ということで、先ほどの「リスボンが好きなのに嫌いだと思われていた件」では、恨みを買ってしまった同僚さんに対して、


「リスボン大好きだよ! 街が夢のようにきれいでお城もすてきだったよ。このワンピースも可愛いし、ご飯もおいしかったよ。また行きたい。」とストレートに伝えました。(レストランにハズレもあったけどね。)は飲み込みました。


 この同僚さんは最終的にはホクホク顔でした。よかった。祖国を愛する心はかわいいですね。


 もちろん、家庭ではこんなに大人ではありません。誤解が生じたときに「Bって言ってない。ぜっっっっっったい言ってない。」と言い張り、過去に送ったメールまで持ち出して、水戸黄門の印籠のように携帯の画面を見せ「ね? Aって言ってるでしょ?」と証拠を突き出します。(ばかなの?)


 特に親しい人、まあ夫とか、夫とかですよね。にはこのような大人げない対応をしてしまいます。親しい関係は人間を幼くしてしまうものよ……。


 わかりやすく何かを伝えるために、同じことを何回も言い方を変えて言うというのはとても効果的だなと思います。でも、小説でこれやるとクドくなりますよね。何を言うかと同じくらい、何を言わないかも大切ですし。でも、大衆向けのエンタメは、ちゃんとわかりやすくないといけない。そのへんの匙加減にクリエイター側の腕が問われるんでしょうね。


 ピクサーが作る、子ども向けのアニメは、子どもが面白いと思う部分と大人が面白いと思う部分が、両方レイヤーで上手に入れてあって、すごいなあと思います。


 

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