空を見る男

昔、空を見るのが大好きな男がいた。


男は来る日も来る日も朝から晩、寝る間を惜しんでまで空を見ていたので、村ではたいそうな変わり者として扱われた。空を見る男はとても幸せそうだったので、村人は苦笑するばかりであった。


「明日は日が欠けるぞ」


と、男はある時、村人に話した。村人は初め誰もそれを信じなかったが、空が暗くなり日が欠けるのを見て、男の空を見る力はすごいものだと感心した。


以来、男は空を占うものとして重宝されるようになった。村人は男を変わり者ではなく立派な人物として崇めたが、男の空を見る目は変わらず幸せそうだった。


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