妖怪ころな

影と影が触れ合うような距離には近づいてはいけない。

穢れが伝染するから。


顔、特に口元は隠さなければいけない。言葉とともに毒がでるから。

口から毒がはいるとあっという間に肺が侵される。


味はなくなり呼吸ができなくなる。


老いたものは死に若きものは死を運ぶ。


この世にそれに侵されぬものはいない。


手を清め口を閉じ一人でいる。


それでも彼らは姿を現すだろう。


もはや逃げられる場所などどこにもないのだ。

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