第61話 黒い球(前)
「なんだってェ……?」
オブシディアンがとてもとても面倒そうな声を上げる。
全く進展を見せていなかったあまねくの『守護の間』の設定についてハチコが提案をしてくれたのだが、その内容が異常だったためである。
提案内容は大きく分けて2つ。
まず、『挑戦者の人数と同じ回数まで、あまねくが復活する』。
これはバランス的には挑戦者が可哀想すぎるのだが、100歩譲って良しとする。
あまねく1人に対して複数人パーティで挑む利点を十分に活用すれば、クリアは不可能ではないハズだ。
しかし、もう一つの条件、『あまねくに勝つまで守護の間から絶対に出られない』。
これはマズイ。どう考えても監禁だ。
普通のプレイならば確実に違反行為であるし、監禁される側のプレイヤーは容認できないだろう。
「いや、ダメでしょう…。ルール的に…」
オブシディアンはそう返答するが相手が悪い。
何せ、運営チームにとってユニバースの歴史にいくつもの伝説を残しているあのハチコだ。
「あら? ルールには“挑戦者に突入の是非を選ばせる以上、挑戦時の注意を明記すれば状態の強制は可能”ってありますよね?」
「いやまぁ…そうですがね、状態強制じゃなくてプレイ制限なんで…設定としても“重い”って言いますか…」
「では、どうしても挑戦者があまねくさんに勝てない場合、プレイ制限と同じくらい重いペナルティを課してから外へ放り出すなら吊り合いは取れますよね?」
「うぐ…そいつぁ…」
オブシディアンはとんでもない提案を連発するハチコに辟易する。
しかも、正確にゲームのルールに則った内容を突いてくるのが非常に厄介である。
議論が平行線になった場合、相手があまねくであれば最終的に戦闘による決着に持ち込めるのだが、ハチコは話し合い以外の土俵には上がらないだろう。
オブシディアンの苦い思いを知らず、ハチコは嬉々として提案を続ける。
「ええと…そう。ゲームプレイの制限に匹敵するペナルティですから、他の四天王への勝利を失効させるのはどうでしょうか?」
「なにィ!?」
オブシディアンが信じられないという反応をする。
「つまりですね。例えば挑戦者が私と冬雪さんに勝ち、ヌルさんへの挑戦まであと2勝というところだとして。
その人が
「いや、発言が理解できなかったわけじゃないんですが…。何と言いますか、あまりにも容赦がなさすぎる設定じゃないかと…」
「そうでしょうか? 妥当だと思いますけど。我々が勇者の軍勢に手心を加える必要はないですし、ペナルティが嫌ならあまねくさんに最初に挑戦するか、勝てばよいだけの話では?
それに、入室時に注意点を明記するのですから、あまねくさんに挑戦せずに領地の方を攻略する方法だってあります」
「そう…なんですが…ねぇ…」
理路整然とした追い込みをかけられてオブシディアンは言葉に詰まる。
ハチコは「嫌なら挑まなければいいだけ」と簡単に言うが、オブシディアンはそんな単純な問題じゃないと認識している。
例えば、そう。
あまねくの隣に立て看板があるとする。
そこに「かかってこい、怖いなら帰れ」と書いてあるならば、血気盛んなユニバースプレイヤーたちは絶対に挑戦する。
あまねくは存在そのものが挑発である。
自然と野心的なプレイヤーを惹き寄せてしまう。
しかも、ほとんど誰も勝てないだろう。
オブシディアン自身、GMとしての能力を活用して戦わなければ勝利どころか互角も厳しい。
あまねくはそれほどに強いのだ。
このハチコの提案した内容と、あまねくの持つポテンシャルが余りにも合致しすぎている。
オブシディアンはハチコの到来を恨んだ。
最初こそオブシディアンはハチコを“助け手”と認識していた。
あまねくは武力でしか解決を求めないし、血の気が多すぎる。そんな彼の態度を諌めるためにハチコが来訪したのだ、と。
しかし、実際には見当違いだったわけだ。
「はぁ……」
オブシディアンは返す言葉が見つからず、ため息と共に天を仰ぐ。
その沈黙はハチコの理論攻撃に対する敗北を表していた。
ハチコが畳み掛ける様子を、満足気に眺める者の姿がある。
ハチコの担当者であるGMバニラであった。
先輩であるオブシディアンがボコボコにされるのを眺めていた…という話ではなく、投げやりな態度をとっていたハチコに変化の兆しが見られた事が嬉しかったのだ。
だが、悔しさもある。
何がハチコに影響したのかは推し量れないが、自分ではハチコを変えることができなかった。
対して、自分にこの場所を訪れるように指示を下した
まだまだ自分には至らない部分があり、精進するべきだと思い返す。
ゆえに、バニラはハチコが守護の間に戻ったら、もっとコミュニケーションに心を砕いて挑もうと決めるのだった。
一方、ハチコの論理に完全敗北し、逃げ道を失ったオブシディアンは困窮していた。
このままではハチコの用意した凶悪なプランを承認しなくてはならない。
これは地獄が生成されるのを許可することを意味するのだが、このタイミングで一つの助け船が出された。
オブシディアン宛に通信が繋がる。
「…おっと失礼、業務連絡ですわ」
そう告げるとオブシディアンは通話を開始する。
オブシディアンのメットが変形してアンテナが出現すると、先端からレーザーがリングの形で放出されてドームを形成する。
そうして全身がすっぽりとドーム状のレーザーに包まれる。
これは完全に音声を遮断した状態を示すもので、オブシディアンが大声を上げてもハチコ達には聞こえないし、同様に周囲の声がオブシディアンに届くこともない。
結果として彼に秘匿性の高い通信が来たのだろう事がわかる。
オブシディアンは監獄の長であるため、誰かしらがユニバースのルールを犯してしまい、投獄された旨の情報が届いたのだろう。
ハチコとあまねくは単純に待つ姿勢でオブシディアンを眺めるが、バニラは落ち着きなくソワソワとしている。
仮にオブシディアンが通信を受けたことで、そちらを優先してこの場から退出した場合、あまねくの守護の間についてバニラは臨時のサポーターとなるだろう。
そうしたら今度は自分がハチコを相手に舌戦しなくてはならない。
しかしハチコのファンであるバニラのこと。
簡単に負けて許可してしまうだろうし、後で確実にオブシディアンから怒られる。
内心で冷や汗をかいたバニラは先手を打つことにする。
「ハチコ様、ご様子を見るに…ご自分の守護の間についてアイデアが浮かんだのではありませんか? 宜しければ我々も戻って構築を再開するのはいかがでしょう?」
ハチコの守護の間に戻ってしまえば、少なくとも自分があまねくの対応について責任を取る必要はない。
遠回しにあまねくの守護の間には関わりたくないと主張する。
その提案にハチコはゆっくりと頷く。
「ええ! とても良い刺激を貰いました。私も自分の守護の間について方向性が見えたところでした」
「そうですか! では早速…」
「ええ、ですので早速ここで決めましょう! 移動中にせっかくのアイデアが霧散しては悔しいですし、設定について話し合うだけならこの場所でも可能ですからね。あまねくさん、少しスペース借りますね」
「ああ、構わんぞ」
「あ……」
バニラは却ってこの場所を離れられなくなってしまった。
提案が裏目に出てしまった事にバニラは悲しそうなオーラを出すが、気にせずハチコはメニューから守護の間の設定画面とメモとを表示する。
「それでは、私の守護の間のコンセプトなのですが……」
ハチコ達が守護の間について話し合いを始めるのと交差して、通信を終了したオブシディアンが口を開く。
「お待たせしました」
「もういいのか? であれば先程ハチコ殿が提案した内容で行こうと思うのだが」
「その前に一つご報告を。アナタらも当事者なんで、一応の共有となるんですが…」
「なんだ?」
「アナタらの大将。魔王さんがまた監獄に転送されたそうです」
「………何だと?」
「えぇっ!?」
その発言は四天王2人の『守護の間』作成を中断させるに十分な理由だった。
ーーーーー
──しばらく前、特殊コロシアム。
瞠目するノ・ヴァ。
彼女の目の前には『黒い球』が浮遊していた。
「何やコレ?」
バレーボールくらいの大きさで、光沢どころか質感の全くない純粋な“黒”。
ゆえに黒い球が存在しているというよりも、目の前の景色が黒く抜け落ちているような違和感を抱かせる。
「これがニイさんの必殺技なんか?」
球体を生み出したのはヌルである。
当然、疑問を向けられているのもヌルだが、本人は首を傾げる。
「さあ?」
「さあ…って」
答えと態度にノ・ヴァは呆れ顔をするが、それはヌルも同じようで、やれやれといったポーズを取る。
「いや、お2人の言う“必殺技の手順”通りにやっただけなので、俺は意識してコレを出したわけじゃないんですよね…」
これには、いくらかヌルと戦ったノ・ヴァから「気持ちが感じられない」というクレームが入った事に始まる。
その声に対しヌルは「気持ちがこの場面でなんの役に立つのか?」と不満を漏らしたのだが、詳細を聞いて納得する。
ユニバースには思考と動きを合わせる事でスキルを自在に扱える『
しかし、この機能は実のところスキルの発動に留まった話ではない。
例えば、相手を倒すという意思を強く込めた攻撃の方が、何も考えずに攻撃するよりもはるかに威力が高いのだ。
ブレインゲームであるユニバースは“意識”で操作をする関係上、意志の強さもゲームに影響を及ぼすという事である。
そして必殺技には、何かを強く念じながら攻撃を放つことが一つの条件であるとヌルは聞かされたのだった。
余談だが、ヌルの師匠はあまねくである。
その彼が必殺技について言及しなかったのにはいくつか理由がある。
一つにはあまねくが常に強く殺気を放って行動しているために、全ての攻撃が必殺技級の威力を持つ事に由来する。
殺気を放つのが自然すぎて気にしていなかった。
それ以外にも、あまねくはヌルが自身の気付きで“意志がゲームに影響を及ぼす”と理解してほしいと願っていた。
ヌルが自発的に精神を攻撃に込めたのであれば、とても面白いだろうと戦闘狂の勘が告げていたからだ。
そうして、ヌルが渾身の力と意志を込めて正面の空間を殴りつけたところ、黒い球が発生したというわけである。
とはいえ、必殺技は名前の通り切り札と言える究極の攻撃であり、相手を打ち負かすために意志を込めた攻撃となる。
まして、魔王が放ったものであれば無差別に周囲を滅ぼすほどの威力であっても不思議ではない。
彼らの目の前にある黒い風船のようなソレは無害を主張するように存在するだけ。
その意味では必殺技とは呼びにくい代物だ。
総じていえば“失敗”だろう。
遠くから見ていたダイダロンも口を挟む。
「まぁダンナがどんな気持ちを込めたのかは知らねぇが、カタチだけで成功するほど甘いもんじゃねぇのも確かだ。じっくり腰を据えてやってみるのがいいだろうよ。
…あぁ嬢ちゃん、ちなみにだが、その黒いのは何か警戒に引っかかるポイントはあんのか?」
「うーん……ないなぁ。なーんの効果もないただの物質ってカンジやんな」
ノ・ヴァが観察力を強化するスキルを使用してヌルの必殺技らしき黒い球の危険度を推し量ったのだが、脅威とは感じられなかった。
「いっぺん触ってみて、効果を確かめるんがイチバンやな。ウチが効果を見抜けんほど隠されとっても死ぬほど高いダメージが出るようなことにはならんやろ」
ノ・ヴァの発現している擬似的な“究極英雄”状態は、ヌルとインファイトで殴り合ってもHPが0になることはない。
ノ・ヴァの防御力がヌルの攻撃力に及ばなくとも、受けるダメージの90%以上がカットされているためだ。
むしろ、防御力が高いだけなら“圧縮合成”が有効なので、その点もヌルの修行相手には適しているのかもしれない。
「防御しつつ触ってみるのがええんか? まずは“剛身”っと」
ノ・ヴァから放出される金色のオーラのエフェクトが彼女の周囲にとどまる。
強固な防御の輝きを纏いつつ、ノ・ヴァが黒い球へと手を伸ばす。
「ゆうても、大人しそうで強いってのはゲームのていば──────」
黒い領域に触れた瞬間。
言葉を途中まで残してノ・ヴァは消滅した。
ーーーー
…。
……。
パリッ!
「──ハッ!? どゆこと! なに?」
卵の殻より薄い氷の上を歩くような、何かが割れるような感覚があって、『
手に触れる畳の感触と、ゲーム中に蹴飛ばしたであろうブランケットの存在が現実世界であることを認識させる。
自分の四肢を確認して、外傷によってログアウトしたわけではない事を確かめる。
「ネットワーク切断にしては急すぎるし…もしかして故障なん!? 勘弁してぇな!」
せっかく魔王の修行が軌道に乗ったところだったのに、自分の都合で中断させるのは申し訳ない。
野遊は急いで
接続機のランプは緑色を灯しており、ネットワークが正常であること、電源に問題がないこと、意識接続のアタッチメントに問題がないことを教えてくれている。
機器の問題ではないと判断するが、すぐにログインするわけないはいかない。問題があるかもしれない状態で意識をゲーム内に飛ばすのは危険だ。
そのため、野遊は携帯端末からユニバース内にある自分のアカウントを確認する。
もしもサーバーダウンであれば公式から情報が出ている筈で、そうじゃなくても自分のログアウト理由を知れる可能性があるだろう。
そう思って画面を見た野遊は眉根を寄せる。
「え……?」
そこにはいまだに、ノ・ヴァというプレイヤーが『ログイン中』であると表示されていた。
「まさかハッキングか!? どないなっとるんや!」
動揺に混乱を加えながらも、野遊は原因の究明を始めるのだった。
ーーー
混乱とともに事象の究明にあたる人々は他にもいた。
───とあるビルの一室。
ここのところオフィスは平和だった。
運営チームのうち現実世界にいるメンバーは、四天王を相手に四苦八苦する同僚を眺めて涼しい顔をしていたものだ。
しかし、ある時を境に辺見の周囲に人が集まり始める。
辺見の業務はヌルの監視である。
ヌルが必殺技を編み出す修行を始めたことで、運営メンバーもヌルの必殺技に興味があったということだろう。
もっと明確にいうなら、ヌルが新しいことを始めると「何か起こるんじゃないか」という不安に駆られる者が増えるのだ。
「何だか嫌な予感がするわね」
それは経験に裏付けされた勘から発された言葉だったのだが、ヌルが黒い球を出現させた時に確信に変わった。
「あの黒いの……何?」
「わかんないけど、今すぐスキャンした方がいい気がする…ね?」
冷や汗と共にそんな言葉が囁かれる。
彼らはあんな黒い球の現象を実装した覚えはないのだ。
「辺見君、あれのデータ表示してもらえる?」
モニターを指差し、画面内の黒い球を指し示す。
辺見の同僚の中には言う前に勝手に操作する人物もいるのだが、彼女は違うようだ。
しかし、辺見は動こうとしない。
唖然として画面を見つめるのみだ。
「辺見君? スキャンを…」
「されてます」
「うん?」
「この画面、常時スキャンが全域に出てます…」
辺見がヌルやノ・ヴァを指差して補足する。
確かにヌルの付近にはパラメータ変化などのデータが表示され続けている。
「え? …でも、何も…」
「ええ、そうなんです。だからここには何もないんです!」
辺見はわざとらしく黒い球の置かれた辺りを範囲指定して見せるが、画面拡大などの操作しか表示されず、スキャンする対象が存在しないことを表している。
「…そんな…だって見えてるのよ?」
辺見は首を横に振る。
プレイヤーが出現させた以上は、仮に黒い球が幻影であっても幻影の能力であることを明示してくれるはずである。
「…っ! すぐに現地で捜査しないとっ!」
「今すぐ向かえるヒトは?」
「ヌルさん担当は笠原さんでしょ!」
“ある筈なのに無いものが出現した”という事実に急に騒がしくなり始める。
今のところ被害はないが、バグなのは明確だ。
「あ!」
俄かにメンバー達が動き出そうとしたその時、ノ・ヴァが黒い球に触れて、姿を消した。
「追って!」
咄嗟の呼びかけに応じて辺見はキーボードを走らせる。
特殊コロシアムのプレイヤーログからノ・ヴァを選び出し、彼女の状態を確認する。
「エリア転移……行き先は……コード00!?」
「開発室っ!」
「ウソだろオイ」
「緊急対応ーーーーッ! チーフ呼んでこい!」
その声をきっかけに全員が動き始める。
「またまた面白いことになりましたね」
とはサーバーのログを遡っていた水谷の言葉だった。
その発言に門沢が険しい顔をする。
「全然面白いことなんてないだろう? まさか開発室に入られる日がくるとは…。何がどうなったんだ?」
開発室。
ゲームの安全性を担保するための隠しエリアのことである。
サーバーの安定度を測ったり、新しいアイテムを使ってみて影響がないかなど、ゲームのメンテナンスが完了する前の最終確認として使用される空間である。
機密情報の塊であり、プレイヤーは絶対に入ることができない。
そこにノ・ヴァが来たというのだから、彼らにもワケが分からないだろう。
「まだ追いかけてる最中ですのでなんとも…。
でも念の為の措置働いてて助かりました」
「そうだな」
プレイヤーに機密情報が漏れる事のないように、開発室に来た人物は意識だけをログアウトさせて、キャラクターはそのまま残しておくプログラムが組んであったのだ。
「うーん……。原因究明はー、まだまだかかりそうですー。もしかしたら原因判明しないかもなんで、別口の調査もお願いします」
水谷は見たことのない事象の解析を楽しみながらも現実問題を口にする。
水谷の発言に門沢は頷く。
「わかった。ヌル・ぬる氏を一時的に監獄に移送してくれ。あと、ゲーム内の笠原に事情聴取を行うように伝えるんだ」
「はい!」
GMチーム誰かが元気よく返事をするが、すぐに追加の返事が届く。
「ダメです! 笠原さん今、別のプレイヤー対応中。時間がかかる模様。対応中のお客様を放り出すわけにいかないので別の者が聴取を行うべきかと!」
とは言ったものの、発言者含めGMチームのメンバーは互いに顔を見合わせる。
ヌルの担当は笠原ことアンブレラがメインだったために、他のメンバーはヌルについて書面での情報しか知らず、人格的な情報に詳しくない。
GMチームの反応から門沢は状況を察する。
「参ったな」
どうしようもなければ責任者である門沢が出向くのだが、それはヌルに今回の顛末の裁定を話すための責任であって、今はどちらかといえば情報を集められる人物が向かうべきだ。
「笠原レベルでヌル・ぬる氏に詳しい奴…」
門沢はオフィスを見渡す。
そして、1人の人物に目を留める。
「辺見ィ!」
「ハイッ!」
「ヌル・ぬる氏にゲーム内で会うことを許可する! 事情を聞いてくるんだ」
「………っ!!」
辺見が言われたことを理解するのに一拍の時間があった。
「ハイッ! 今すぐ向かいます!」
それはそれは嬉しそうに返事をしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます