Session03−06 戦いへの誘い
六日目……。
イーネは、
そして、一番変わったのが、アイルとルナの防具であろう。イーネは
しかし、そこはケーマの方が上手であり、トロールはそう簡単に狩れる物ではないこと。狩れたとしても、冒険者ギルドへ
“青鮫党”の協力により、対岸へ渡った“鬼の花嫁”は
ピッピと、周辺の地理に明るいイーネの二人で一群を探す。中規模以上のものはなかったが、小規模のものが三つ。二つはトロール付きが見つかった。
今までの通りだと、アイルとフィーリィの魔法からの
アイルは、自身の身体能力、そして秘密にすべきことから、きちんとズボンなど、鎧の下に着るべき衣類を着た上で鎧を身にまとっていた。角があるため、兜を被ることはできない。そのため
直線距離で25m。その距離まで近づいたのを確認し、ピッピとフィーリィが
「さぁて、さぁて!ピッピとフィーリィの洗礼を抜けてきた者達ぞ!”
「”
「”
三人が
「俺が、皆の活躍を見届ける。首座神よ!戦女神よ!この戦いを捧げます!ご照覧あれ!!」
その言葉と共に、
ゴブリンが掃討されれば、アイルとイーネが二人を援護し始める。そこからは簡単だ。どちらかの攻撃を防げば、もう一人の攻撃をまともに受ける。そんなに時間がかからず、
倒したゴブリン、オークをそのまま”魔法の鞄”へ入れる。ゴブリンは証明部位と素材である
◆◆◆
「”青鮫党”と出会えたのは本当に良かったのぉ。……なにより、
バーバラが焚火にかかった鍋から自分の器にスープをよそる。芋、青菜、茸、渡り鳥を具材として、塩をベースに味付けされている。特に芋、青菜、渡り鳥と言った
「どうしても野菜はネックだからねぇ……。今後の食料の仕入れ内容も考えるよ。で、どうかな? 戦闘もしてるから塩を多めにしてあるんだけど。」
火の加減を見つつ、鍋の中身をかき回すピッピ。手慣れたもので、煮詰まりすぎないように焚火との距離を調節したりしている。
「……ピッピ、いつもありがとう。」
アイルがピッピの頭を撫でながら、感謝の言葉を伝える。スープに堅パンを浸し、ふやかしながら口にする。その姿をピッピは頬を赤らめながら、目を細めて見ていた。
「そういえば、アイル。鎧と棒での戦いはどう?特に問題はなさそうかな?」
ルナがふやかした堅パンをもしゃもしゃと口にしながら話を振る。彼女も装備を変えての初日であった。
「特に問題はないな。……改めて思ったのは、一歩下がって戦うことの重要さだな。……俺も視野を広くして戦おうとしてはいたが……
「ボクも好調だよ。小手と袖があるから、もうちょっと
「ああ。そこらへんは俺とイーネもしといた方が良いかも知れないな。……イーネ。一党での初戦闘だったわけだが、どうだ?」
「ワタクシは、皆さんが十分お強いことがわかりました。そして、加護の力についても。それが一番の収穫だと思っておりますわ。……ピッピさ……ピッピ、おいしゅうございました。」
「イーネには改めて、
フィーリィがイーネに向かって笑顔を見せた。戦闘に関しては問題ないという評価だろう。そして、土地勘という代え難い知識を持っている。それを活かすのであれば、斥候や野伏の技術が適当であろう。イーネはフィーリィとピッピに向かって頭を下げて見せた。イーネ自身も、より自分が力になれる方法がそれだと言うことは理解できた。そして、その専門知識を教えてくれると言うのだ。その姿を見て、ピッピは親指を立てて答えた。
「……しっ!!……皆、準備をして。火も消して!」
親指を立てたと思ったら、手で皆に待機のジェスチャを見せる。
バーバラが鍋をひっくり返し、スープを焚火にかけて消化する。スープの
「
「……単純に考えるのであれば、盗賊に追われてる商人と言ったところでしょうか。……ただ、あれだけの人数を狙うとなると規模が大きい盗賊団となりますが……イーネ。ここいら辺にそう言った盗賊団などの話は聞いてますか?」
「……ここいら辺には存在しないはずです。……ただ、考えられるのが一点あります。」
イーネの言葉を聞いて、皆が顔を向ける。その視線を受け、一呼吸、息を吸って答えた。
「翠葉の国の軍でしょう。……正直に言いまして、悪い噂しか聞きません。」
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