Session03-01 チョトー平野にて 〜間引き初日〜
「”緑の
バーバラが
うっすらと浮かぶ汗を
「……私の故郷は、比較的涼しい地域でしたから、ちょっと辛いですね……。」
フィーリィは、片手で服の首元を引っ張って、もう片方の手で風を送り込んでいる。比較的、薄手の彼女でそんな状態だった。
「ボクも、薄着だけど……蒸して蒸して……。」
ルナが、
「きついだろうが、もう少し頑張ろう。せめて、敵の”
「……そうだね。正直、みんなの消耗が予想よりもひどいからね。……あたしも見積もりが甘すぎたよ。」
アイルの言葉に、ピッピが賛成をする。夏場であること、チョトー平野は緑が深いという情報は得ていたが、”百聞は一見に如かず”と言うように、予想していた状態よりも酷かった。初めての依頼は、本当に練習だったのだと痛感していた。過ぎたことをボヤいたりしていたピッピだったが、急に立ち止まり、左手を横に伸ばし、腰を低くする。それを見た四人も立ち止まり、腰を低くする。長い得物は寝かすようにして、草花の丈を飛び出すぎないようにした。
「……一群だ。……ゴブリン三匹、オーク二匹……トロール一匹だね。比較的、小さめの一群だよ。」
敵の数は六。人数的には少なめである。ただし、珍しくトロールが混ざっていた。ゴブリンは、三匹どれもが年長の子どもぐらいの
「さて、と。いかがしようか。疲労はしてるが、戦いを避ける程ではなし。」
「初めての”緑肌”との戦いだから、まずは全力で行くべきだと思うな。アイルの”
ルナが、暑さに参っていた先程までの姿が嘘の様にスラスラと作戦を口にする。自身の荷物を下ろし、外套に手をかけて脱ぐ。籠もっていた空気が霧散すると共に、少しだけ女性らしい香りが
「……コホン。今回は私の
空気を換えるように
「その策で行くなら、あたしも前に出るよ。眠った奴に
「トロールは俺が引き受ける。ゴブリンが起きていた場合は、ルナが優先で当たってくれ。バーバラはオークを。ピッピは眠った相手に留めを刺しつつ、ルナの
その言葉に、バーバラはニカリと笑顔を見せ、フィーリィは
各々が自身の得物を手にし、いつでも
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます