幕間01 あの騒動の裏側
男は
それはそれは
他の者に、土下座とは何ぞや?と聞かれたら、これが土下座です!と言えるくらいに綺麗だった。
土下座をしている男の前には、トーがを着こなした
「……で、説明してもらえるかな?ロキくん。」
「……いやぁ
土下座をしていた男が顔を上げて、満面の笑みでそう言い放った。反省の色は全然感じられない。その姿を見ていた、壮年の男と、目つきの鋭い女性は、互いの
「……ロキ君。君、それと同じ様な事、百年前にもやったよね? もう何度目かな?」
「
「え、そんなに? そんなに
「……残念ながら、生まれによっては育つ前に死ぬものも……。」
目つきの鋭い女性のその言葉に、ロキは背中に
「こ、こ、こ、今回は、生まれも良いからそんなことにはならないよ!?そこも考えて相手選んだから!!」
弁解の姿が正直言って、
「アテナ君。どう思うかな?」
「……私は、対象者の
「なるほど。アテナ君は加護かー……ん? おい、アテナ君。あの子を見てみろ。」
そう言うと、
「……まぁロキ君が”両性具有”だけで終わらせるとは、困った事に考えづらいからね。今回は僕も加護を授けるとしよう。」
首座神のその言葉に、ギクリとロキは顔を背ける。その仕草にやはりかと二人は更に溜息を重ねた。前回のいたずらはいつぐらいだったか、そして、どのくらいの罰だったかを思い返そうとした首座神の目の前に、紙の束を差し出すアテナ。その紙にはここ
「アテナ君は素晴らしいね。他の神々もこれくらいしてくれるなら、僕は取り
ロキの動きが止まった。先程まで、どんなに言葉を投げかけられても何かしらの反応を示していた男が、石になったかのように、一切の反応を止める。その行動が
「……
「……記憶を封印した上で、
「だそうだよ、ロキ君?……アテナ君、
いやだーー!!僕は好きなことをしたいんだーー!!と叫びながら、ロキがトールや、毘沙門天といった戦神に分類される神々に連行されていく。しかし、首座神には見えていた。彼の口の端が笑みを浮かべるように上がっていたことを。それを見た首座神は頭を掻きながら、苦笑いを浮かべた。この罰も彼にとっては、トリックスターである自分が描き出す喜劇の一部なのであろう。
「……いかがされましたか?」
「……いやぁ、ロキ君がちょっかい出した……アイルだったかな?彼……彼女か。彼女にどんな
首座神はクスリと笑みを
彼女の信徒が傍にいる。
情報を収集して、報告を多めに作ってあげよう。アテナはそう思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます