Session02-10 エピローグ チョトーの解放に向けて
「……なんというか、詰め込み過ぎた一日じゃったのぉ。」
そう、バーバラが
アイル達が本拠地としている屋敷の食堂に、上座にアイル、左右にバーバラ、フィーリィ、ピッピ、ルナが続いて座る。そして、マーリエが座り、マーリエが雇用するようになった、ダール、ルー、ターニャ、ケイが座り、一緒に朝食を食べているところであった。
昨日、ゴルドが手配してくれた、メイドに料理人がその腕前を見せるように料理を作り、
「……その、ごめんな? あたしの
ピッピがしゅんとした顔でそう呟いた。本当に辛かったのであろう。いつもの雰囲気は鳴りを潜め、ただただ、罪悪感に駆られているようであった。そんなピッピにアイルが笑顔で言葉を
「そんな事はないぞ、ピッピ。あなたが”
「アイルの言う通りだとボクも思うよ、ピッピ。君がブルズアイさんを連れてきてくれたから、協力できた。それはピッピじゃなかったら出来ないことだよ!」
「ええ、その通りですね。”暗部”の長と
「うむうむ!……そう言った点では、ブルズアイ殿にも感謝じゃな。なにせ、こんな腕利きの
皆が皆、ピッピの素性について
「……ありがとうな!みんな!」
ピッピは涙を
「よし!では、今後の話をしようぞ。まずは会議室へ皆で移動じゃ!」
バーバラは皆にそう言うと、席を立ち、食堂を出ていった。皆も、
◆◆◆◇◇◇◆◆◆
「まずは、これを見て欲しい。チョトー地方の地図じゃ。」
そこには、チョトー砦、チョトー村の周辺が描かれていた。その地図には、いくつのも線が色を変えて書き加えられており、更には何かを示す数字も記載されていた。皆がそれを見ている中、ダールがボソリと呟いた。
「こりゃ……
「おお!一発で読み解くとは素晴らしい。マーリエ殿、ダールは掘り出し物やも知れませんな!……コホン!……この地図に
第一次解放戦……兵力五百、冒険者一党五組
第二次解放戦……兵力千、冒険者一党五組
〜
〜
第五次解放戦……兵力四千、冒険者一党五組
その数字を確認した上で、描かれている線を眺めると、どれもが予測されている”
「……チョトー砦は
バーバラが、当時、チョトー砦が
「……ゴブリンだけならまだしも、オークやトロールまで出てくれば、
「……それならば、護送はしないでチョトー砦に籠もっている兵力を誘い出すのはどうだろうか。護送してて捕捉されるのであれば、逆にこちらが引きつけて逃さない様にするのはどうだろう?」
「アイル、その作戦にはいくつか問題があるよ。一番大きいのは正面からぶつかった際の辺境伯軍の損害が多くなることだよ。もしも
「んー……あたしはこういったことは詳しくないけどさ。例えば、チョトー砦みたいなのを作って辺境伯様に籠もって貰うってのはどうよ?」
ピッピがこんなんどうよ?っと案を捻り出した。確かに、
「ピッピさんの案は良いと思います。……しかし問題があります。チョトー砦周辺は
マーリエがピッピの案を肯定しながらも、問題点を口にする。兵を多く徴募すれば、防衛と築城を並行してやれるだろう。しかし、もしもの事があった場合、徴募した、本来は農民や市民にどれだけの被害が出るかが予測できない。そのため、二の足を踏んでいるのだ。
「……よし、色々と意見がでたの。……まだ、これで決まりではない。あくまでも今回は、現在の状況把握じゃ。まずは、我らはチョトー地方の”緑肌”共の
「チョトー周辺まで行くのに片道二日。十日、間引きを行うとして、合計二週間じゃな。無理はしないように注意しながら敵を狩り、野宿などの野外活動の経験を積む感じじゃ。」
そう言うと、バーバラは皆を見回した。皆が頷くことで応える。それを見てニカリと彼女は微笑んで見せた。
一党”鬼の花嫁”は、目標への
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