"戦争なんて大嫌い!" 学童疎開

 塩谷・蘭島地域は、小樽の昔からの海水浴場である処。

 戦時中、我が家はその蘭島に母と姉が疎開させてもらっていた。何頭か牛を飼っている半農家で、姉は甘くて濃い牛乳の味を憶えている。

 『昭和の銭湯の風景 2』に登場した山田さんもお母さんとお姉さんで疎開されていた。当時は1年生で、忍路の小学校へ、4キロの道を通っていた。春の雪解けの水音を聞いたり、ヨモギを摘んだりと楽しいこともあったが、空襲警報が鳴りだすと走って帰るのだが、無我夢中で垂れ流しのまま辿り着くこともあったという。学校の裏手には、とうきび畑があり、ある時、馬糞を1人3個持ってくるように言われ、新聞紙に大事にくるんで運んだ。肥料にするためであるが、みんなで土に埋めた。道路に馬糞がもたもた落ちている時代でもあり、難なく手に入ったとか。人と共に労働を分け合った「銃後の馬」や戦死した馬、やせた牛のことも、私たちは忘れてならないでしょう。

 慰霊と不戦を誓う新たな八月がやってきます。

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