《第十五章》Victory
いつの間にか、トワは眠っていた。目をうっすらと開ける。その先に居たのは、拘束されて寝転んでいる透だった。一体何が起こっているんだ。「あ、目覚めたんだ!」後ろからセツナ、いや、真白の声がする。トワはゆっくりと立ち上がる。振り返ってみると、真白と蒼栄が笑顔でこちらを見ていた。「なんで、僕、収容所に戻るはずじゃ……。」「そんな寂しいこと言わないでよ〜。なんかこいつね!蒼栄の対策はしてたらしいけど、私の右手のことは知らなかったらしくてね、私の一撃で決まったの!情報量不足だよね〜ほんと!信じられなーい。」状況を理解するのに時間がかかったが、とりあえず解決したのでよかった。「2人とも、ありがとう。」「オレは何もしてないけどな……」「拘束するの手伝ってくれたじゃん?」「まぁな……」「それで、この人はどうするの?」2人は黙り込んだ。「このまま放っておいたら、まずいような気もするけどな。」「ていうか、さっきからこの人黙り込んでるけど。私らに圧倒されて言葉もでないのかなぁ。」すると透が口を開いた。「僕はここで終わりだ。こんなところでじっとしていたって誰も来ない。連絡をしない限り、研究員は誰も来ない。」「へへーん、可哀想なやつだなぁ。ねぇ、2人とももう行こ?こんなとこいてもつまんない。」「……そうだね、外に出ようか。」3人で外に出た。「ねぇ、あの坂の上まで走っていこうよ!競走したい!」「……僕寝起きで走らされるの……。」「いいじゃーん!じゃあいくよ、、よーい、ドン!」
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