《第六章》travel

旅。旅とは何だろう。旅をしようと言われて、この草原で何をするのだろう。

「ねぇ、あんた名前なんて言うの?」

「あ、ああ、僕は、トワ」

「トワ……」

セツナは何かに気づいたような顔をして、ずっとこちらを見ていた。

「ど、どうしたの?……」

「……いや、 なんでもなーい」

それより早く行こ、とセツナはくるりと振り返って歩いていった。

旅が始まる。でも、自分の思っていた旅とは何か違う気がする。まだ僕はセツナのことを知らなすぎる。彼女もまた、僕を知らない。もっと、セツナのことを知りたい と思った。僕は彼女についていく。

「ね、ねぇ、セツナ」

彼女は立ち止まってこちらを振り向く。

「僕さ……セツナのこと、もっと…知りたい。僕も、自分のこと、話すから!……話しながら、歩いていかない?」

セツナは一瞬驚いた顔をして、笑った。

「いいよ!その方が退屈しないもんね!」

セツナは僕の隣に来て、一緒に歩き始める。

「まずは、私から話すね。」

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