激突——ロリvs実力隠し③(視点変更)

「ふふっ♡あの子、今頃追い詰められてるだろーねぇ。あーあっ、またおもちゃ壊しちゃったかも♡」


「ほんと、いい性格してるわ」


「ありがとう♡」


「いや、褒めてないし」


 その頃、生徒会室にて。二人の少女の会話がなされていた。強者同士だからか何なのか室内はピリピリとした緊張感で充満されている。


 風神と雷神の対峙。まさしく、赤羽美沙と森美幸との対談はそう表現してもいいほどだ。


 桃色ツインテールを揺らしながら、彼女はクスリと微笑んで口を開く。


「まぁ、私が強すぎるのがいけないんだけどねぇ♡。美幸のお気に入りも大したことないって感じ〜」


「貴方のやり方は気に入らないですけど」


「なぁに〜。やっぱり美幸はサシでやりあうのが好きなんだ〜♡。でも、私かよわい女の子だからそんなことできないよ〜」


「はぁ。どんな手段使ってるのか知らないけど、人の弱みにつけこむか、もしくは貴方の信者の圧倒的暴力で支配するかの二つですからね。そんなやり方は綺麗じゃないです」


「とか言っちゃって〜♡。美幸に人脈がないからって酷くない? 私は美幸みたいな将軍タイプじゃなくて軍師タイプなの! 信者をコマの様に動かして標的を支配する……最高に痺れない??」


 小柄な身体を前傾させながら、彼女は悪魔の様な顔つきをして目を見開く。


「……はぁ。私には分からない」


 生徒会副会長、森美幸はそんな狂気じみた赤羽美沙をため息で一蹴する。


 赤羽美沙は、サイコパス気質なところがあるが紛れもない実力者。


 赤羽美沙の数多い信者を使うのが、彼女のやり口だが人脈も強さのステータスの一部。


 それを分かっているが故に、森美幸は赤羽美沙にあまり口出しできないわけであるが。


「ですけど、彼はきっと……」


 森美幸は静かに口角を釣り上げる。彼女は陰月に期待をしていたのだ。こんなとこで折れるやつじゃないと。


「ふーーん♡。石川たちを止めることは至難の技だけどね♡。まぁここ乗り切ってくれたらそれはそれで面白いなぁ♡」


「ふふっ。彼をあまりみくびらない方がいいですよ」


「だといいけどね〜♡」


 目線の高さが違う二人であるが、視線があうと、目には見えないバチバチとした電流が走っているのが肌身を通して感じられた。


♦︎♢♦︎


「わ、私はもう………」


 同じくその頃。誰もいない空き教室に一人の少女が身体を震わせながら蹲っていた。


 ———知られてはいけない秘密をしられてしまった。


 誰にも話せない、誠にももちろん陰月にも話したことがない……そんな話を彼女ロリは知っていた。


 身体のでかい人が5人ほどいたし、只者ではないことが分かったから従わざるを得なかった。


『この秘密をバラされたくなかったら、生徒会に入ること! それと、陰月礼人くんとの関係を断ち切ること♡』


 あの秘密がしられてしまったのだから、もう誰もあの彼女ロリはとめられない。


 だから私はっ……。


 涙目ながら、決心する彼女の姿がそこにはあった。

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