実力発揮のお時間です②

「……ど、どうなってんだ」

「むむむ……これは」

「いや、クイズってレベルかよ……」


 ん? そんなに難しいか?? 確かに、知識はいる問題だがそんなに……って感じだが。

 まぁ、匿名だし……素直に答えはCにしておこう。

 俺は、シャーペンからカチカチッと音をさせ芯をだし配布された紙にマークする。


 今回のクイズ問題は全てマーク形式の5択式で……問題数は15問。


 今は、一問目だが大したレベルには思えない。なのに………。


「……意外とむずいじゃねーかよ」

「だから、クイズってレベルか!?」


 相澤と神崎の二人がそう苦言を呈す。


 ふっ。真の実力発揮といこうか。


 何故かリア充共が苦戦しているのはどこか心地がよかった。


「……では、次の問題いきますよ〜」


 答えに悩み果てている生徒を置いてけぼりにして司会者は、次のスライドをだした。


「……うげっ。なんだよこれ」

「……は? クイズとかお遊びみたいなもんだろ?」

「こんなにむずいなんてきいてないぞ!?」


 3、4人くらいの声が聞こえてきたが、同じチームの5組の連中どもだ。顔見知りは一人もいない。

 自分の交友関係に嫌気がさすが、実力隠しのためだ。あんまり派手な行動はできない。


 けど、この答えは……うーんと、Aだな。俺は迷わずにそしてスムーズにマークした。

 すると。


「けけっ。分かんないからって適当にマークしてんだろ。陰月」


 はぁ。違うっての、相澤。お前こそ学年一位だろ? もっとしっかりしろって。


「……ふふっ。なるほどね」

「……やっぱり、そうでしたか」


 意味深な笑みを浮かべてくる夢島に暁。


 うわっ。そうだ、危険分子が二人いた……。

 ちゅ、注意して事を運ばないとな。


 実力隠しは、バレたらそこでおしまいである。だから、誰にもバレずにしなければならない。


「……あの地味男子くんって案外もてるんだね」

「……ないない。莉央も真由も……からかってるだけだって、ね? 誠」

「当たり前だろ。陰月は全部ワーストトップの男なんだから」

「くくっ。ほんっと可哀想……陰月」

「せ、性格悪いな〜鳶尾は」

「おいおい、うっし〜お前もだろ?」


 はぁ。だから、お前ら俺の話すんなって。丸聞こえなんだから。


 それと、夢島と暁のお二人さん? なんで君たち俺の背後に回りこんでるの?


 5組との合同で、俺たち3組クラスは6人。5組クラスは5人の計11人体制で今クイズは進行しており、俺だけが皆から少し離れてクイズに参加していたのに………。


 くそっ。こいつらが俺の後ろにきたがために……あのリア充共に目をつけられる羽目になった。


 はぁ。まぁ、クイズは順調だけど何だかなぁ。

 俺は、背後にいる二人に目を向けため息をついた。


 やっぱり、このチーム……最悪だ。

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