宵から朝は迎える

無名

AM 3:37

空の奥の方は薄っすら赤くなってこようとしていた。

言葉で言い表すのが難しいが見えない“何か”が詰まった心が破裂しかけていた。

自分の良い所だと思っていた部分が悪い所になり、悪い所がさらに悪い所になろうとしていた。


運で毎日を生きてる気分しか感じていなかった。

生きていける確証を得れるかもしれないが、その分「迷惑をかけてしまっている」という心が常に喧嘩をしている。

“ぼく”は僕と俺の喧嘩を毎日宥めては僕を慰め、俺を隔離する。

だけどそんなの一眠りすればまたリセットされて僕と俺の喧嘩を“ぼく”が宥めながら片手間で仕事やタスクを処理している。

そんな日々にも疲れた、とても疲れた。

だがそんだけ疲れてもまだ1年も経とうとしてない。

人生のタイムカードを打ったのかも覚えてないのにまだ人生は定時にならない、長すぎる。


そんな人生を全てを忘れようとするため酒を飲もうとしている。

なんなら生まれた時までの記憶まで忘れ去ってほしい。

「自分がどうなりたいのか?」という悩みや「自分」すらも忘れ去ってくれ。



AM 4:12



コンビニで買った安酒を飲みながら家に戻る。

「こんなに生きることが難しいならいっそのこと死なせてくれ」

小さくぼやいた後、気づいた


生きるのは死ぬほど面倒くさい、

死ぬのは生きることほど面倒くさい。と


何十億もいる人間は常に皮肉で生きてるというのだ。



AM 5:01


また生きなければいけない時間が始まる。

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宵から朝は迎える 無名 @a_stro7

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