第11話 ビュッフェ
今日から、私たち家族は、待ちに待ったリゾートホテルに宿泊する。
ワクワクしながら、飛行機に乗り込み、小一時間かけて空港へ到着すると、そこからリゾートホテルまではタクシーで移動することにした。
ホテルに到着すると、そこはまるで、日本にいながらヨーロッパにいるような感覚になるほど、異国情緒にあふれており、ホテルとは思えないほど立派な建物が建っていた。
周りの風景も、リゾート地とあり、素敵なヨーロッパ風の建物ばかりが並んでおり、ここは本当に日本なのかと思ってしまうほど優雅な雰囲気が漂っていた。
宿泊するホテルの周辺には、ヨーロッパ風の街並みに加えて、観光地として、ヨーロッパにちなんだお店も色々とあるため、それらを見ながら街を散策することができそうだった。
まずはこの素敵な街並みを散策しよう。
そう思って、家族でホテルのフロントに大きな荷物を預けて、身軽になると、とことこと街並みに向かって歩き出した。
どんどん進むと、そこはまるで、ヨーロッパの街のようで、本物の街を歩いているかのような感覚になり、その雰囲気にとても酔いしれた。
そうはいっても、本当にヨーロッパを訪れたことはない。
きっと、ヨーロッパに行くとこういう感じの場所なんだろうなと思いながら歩く。
街並みを散策していると、色々なお店があった。
沢山の種類のチーズを売っているお店や、ワインのお店、マカロンなどの甘いスイーツを売るお店もあれば、さまざまな種類の紅茶を売っているお店もあった。
見たこともないような伝統工芸品のお店もいっぱいあって、色んなお店を見て回るだけで、とても楽しかった。
何気なく見て回っているだけでも、かなりの時間が経ってしまい、気が付くと周りがうっすらと暗くなってきた。
私たち家族は、ヨーロッパ風の街並み散策に満足して、ホテルに歩いて戻ることにした。
ホテルに戻り、今日泊る部屋に到着すると、そこにはお洒落な雰囲気のベッドや椅子が置いてあった。
色々とヨーロッパ風の街並みを歩いて、足が疲れたと感じた私はベッドにゴロンと横になった。
そして、横になりながら、お腹が空いたなと思う。
そろそろディナービュッフェの時間だった。
家族で少し休憩をとった後、下の階にあるディナービュッフェに行くことにした。
エレベーターで一階に降り、ビュッフェ会場に向かうと、あまりの広さにびっくりした。
普通、ビュッフェの会場はワンフロアであるイメージだったのだが、このホテルのビュッフェは一階と二階のツーフロアを会場としていた。
一階と二階の間は階段で移動できるようになっていて、上の階からも下の階からも各フロアの様子を見れることができた。
ツーフロアだなんて、かなり豪華なビュッフェなんだなと驚きながら、家族で一階の席を確保する。
席を確保すると、家族はみんなそれぞれ食べたいものを探しに、色んな方向へ散っていく。
私も、何を食べようかと迷いながら色んな料理を見て回る。
ヨーロッパ風のホテルということもあり、洋風でお洒落な料理が多かった。
カルパッチョやキッシュなど、名前の分かるものもあったが、なんという名前の料理か分からないが、きっとカタカナ風の名前なんだろうなと思う料理が多かった。
どれも普段食べたことのないような料理が多かったので、あれもこれもとお皿にのせていくうちに、すぐにお皿がいっぱいになった。
お皿がいっぱいになると、席までいったん置きに戻り、また新しいお皿を手に取り料理を探しに行く。
なんといってもツーフロアで広すぎるため、階段を上り下りしながら何度も往復するのは大変だった。
満足のいく種類の料理をのせたお皿を、自分の席まで何枚か運び終わり、ふと飲み物をまだ用意していないことに気付く。
ドリンクコーナーは一階にあったので、階段を上らずにそちらへ向かう。
コーナーにはオレンジジュースやマンゴージュースやリンゴジュース、コーヒーや紅茶など、さまざまな種類の飲み物があった。
ここで私は、マンゴージュースをグラスに入れ、席に戻ろうとしたが、ふと隣を見ると、抹茶コーナーがあった。
見てみると、抹茶グリーンティーや抹茶プリン、抹茶ゼリーに抹茶ケーキ、抹茶のアイスクリームまであった。
ヨーロッパ風のホテルにしては、抹茶とは珍しいなと思いながらも、眺めているとすごく美味しそうに見えてきたので、抹茶のアイスクリームを食べようと思った。
アイスクリームのカップが横に置いてあったので、それを手に取ってアイスクリームを入れようとしたのだが、よく見るとアイスクリームの種類がとても多かった。
抹茶の濃さが違うものや、抹茶にチョコチップが混ざったもの、小豆が混ざったものや、お餅が入っているものまで、色々あった。
その中で抹茶にチョコチップが混ざったアイスクリームを選んでカップに入れていると、後ろに人が並び始めた。
どうやら、抹茶コーナーは人気らしかった。
慌てて、カップにアイスクリームを入れ、片手にマンゴージュースのグラス、もう片手にアイスクリームのカップを持って、自分の席に戻る。
これで、料理と飲み物、デザートまで完璧にテーブルに揃った。
家族もみんな揃って、さっそくいただくことにした。
では、いただきま・・・。
・・・ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ。
今日も、いつもと変わらない朝が来た。
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