何草不黃(いつまでも続く軍役)
黄ばまぬ草も見当たらぬ、
わが行軍も終りが見えぬ。
いつ戦争は終わるのか。
四方を討ち鎮め切ってからか。
枯れて黒ずんだ草ばかり。
妻との営みから
はるか遠ざかったものばかり。
ああ、我が配下たちよ、
なんと悲しきことか。
まるでお前たちは
民と扱われておらぬようではないか。
野牛でも、虎でもあるまいに、
ただ平原を歩かされている。
ああ、我が配下たちよ、
なんと悲しきことか。
お前たちは朝となく夕となく、
ただ進まねばならぬのだ。
こんもりとした毛皮に身を包んだ狐が、
草むらの陰でこちらを伺う。
我々は粗末な車を引き、
この広き道をただ、進むのだ。
○小雅 何草不黃
小雅ラスト、思いっきり公役の辛さを謳って参った。それはもう幽王批判として見るより他あるまいな。ところで過日幽王周りを調べたら、正妃申氏の父、つまり舅に当たる人物が犬戎と結託し、幽王を攻め滅ぼしたとあった。「異民族の跋扈」とばかり理解しておったのだが、西周の滅亡は普通に反乱であったのだな。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%BA%94#%E3%80%8A%E4%BD%95%E8%8D%89%E4%B8%8D%E9%BB%83%E3%80%8B
当詩にて小雅が終了。一度コラムを挟ませていただき、大雅に入る。
大雅からは、引用に春秋・史記・漢書・後漢書を合流させる。と言うのも魏晋期の詩経引用は、確実にそれ以前の史書表現からも影響を受けているはずだからである。
その結果、次詩「文王」がちょっと面白いことになってしまい、早速やや後悔しておる。もしやすれば二日に一編でもきついやも知れぬ。ひとまずは二日で一編で乗り切れるよう取り組んでみるのだが、さて、どうなることなのやら。
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