祈父(引用1:隊長の無体)

祈父きほ



祈父きほ 予王之爪牙よおうしそうが

胡轉予于恤こてんようじゅつ 靡所止居びしょしきょ

 隊長よ、我は王の爪牙。

 だのになぜ我らを酷使し、

 休暇をも与えて下さらぬのか。


祈父きほ 予王之爪士よおうしそうし

胡轉予于恤こてんようじゅつ 靡所底止びしょていし

 隊長よ、我は王の剣。

 だのになぜ我らを酷使し、

 憩う暇もくださらぬのか。

 

祈父きふ 亶不聰だんふそう

胡轉予于恤こてんようじゅつ 有母之尸饔ゆうぼししよう

 隊長よ、あなたは賢からぬお方。

 どうして我らを憂いの中に落とし、

 食事のいとまも与えぬのか。




○小雅 祈父


兵士たちが軍役を恨む詩とのことであるが、このようなどストレート批判詩も小雅の範疇とは意外であるな。と言うか宮中でいつこの詩を歌うのだ。なお歴史事項ではこれまでさんざんに持ち上げてきた宣王に対しての批判詩であるとする。ただでさえ国難のただ中に立たされたに上げ下げ著しく、宣王も大変である。




■皇帝の弟を偲ぶ


宋書51 劉道憐

雖聖明淵運,三靈允協,抑亦股肱翼亮之勤,祈父宣力之効。


劉裕を大いに支えた元勲(劉道憐、劉道規、劉穆之、王弘、檀道済、王鎮悪)を称揚するにあたっての前文。故にこの引用においては批判的な意味合いではなく、あくまで「隊長」の雅号として祈父が用いられておる。




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%B8%80#%E3%80%8A%E7%A5%88%E7%88%B6%E3%80%8B

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