墓門(クソな夫/昏主の暴走)
墓まわりのイバラを、斧で切り払う。
夫が良からぬ人であることは、
誰もが知る所。
けれど、どうしようもないのだ。
それは誰もが
知っていたことであったのに。
墓まわりにはユズリハの花。
フクロウたちがこぞって止まる。
夫が良からぬ人であることを、
歌でもって知らせる。
知らせたところで、顧みはしない。
倒れた時に、初めて思い出すのか。
○国風 陳風 墓門
墓まわりに茂るバラは不詳の象徴そのものである。そしてユズリハ(梅、と書かれているが、古代中国ではユズリハとして扱われていたそうである)は悪い木でこそないものの、フクロウがたかることにより、悪い木のように見えてしまっている。いずれにせよ「先祖の霊を祭ることもしない」といった方向性の悪さをかもしているようである。それにしても「妻をないがしろとし、顧みぬ夫」というテーマは様々なところに見えるな。きょうび恋愛結婚による不和が云々という話は見かけるが、見合い結婚でも結局不和が起こるときには起こるのだし、いっそ人間はつがいにならぬ方が良いのではないか?(極論)
○儒家センセー のたまわく
当詩では陳の公子、陳佗が人品善かれど確かな指導者を持たなかったため暴走したことを謗るのである! 陳文公の子、桓公の弟たる陳佗は、桓公が病没すると、蛇佞の臣にそそのかされて桓公の太子であった免を殺害、自らが公位につくも、それによって国を大いに乱しておる! 子に言う「夫」とは「傅」に通じ、いわば公子や太子の指導役を指すのである!
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E5%A2%93%E9%96%80%E3%80%8B
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