雄雉(夫の帰還を待つ妻/衛の宣公への批判)
妻→夫 待つ者の悩み 衛宣公
オスのキジが飛びゆく、
その羽をバサバサとはばたかせ。
見送る私の心には、
沈むような悩み。
オスのキジが飛びゆく、
上に下にと鳴き声を響かせ。
なんとまあ、あなたさま。
そうも私の心を
かき乱してくださいますな。
月日ははるかに過ぎゆき、
思いばかりがいたずらに募る。
いかほど遠くにゆかれたのか。
いつお戻りいただけるのか。
あなたは諸々の君子らに交じり、
よくお勤めなされるのでしょう。
人をそこねず、あたら求めず。
そのように過ごされれば、
どうして悪いことが起きましょう。
〇国風 邶風 雄雉
飛び立つオスのキジに、夫を重ね、その帰還を待ち望む……のは良いのだが、いまいち最終連がよくわからぬ。ただ周南あたりで徳行がおセッセセの隠語よろしく働いていたことを考えると、公役にお出になったお前様、くれぐれも、えぇ、く、れ、ぐ、れ、も! ……わかっておりますね(暗黒微笑)? といったふいんきも感ぜられるような気はする。
〇儒家センセー のたまわく
「刺衛宣公也。淫亂不恤國事,軍旅數起,大夫久役,男女怨曠,國人患之而作是詩。」
この詩は衛の荘公を弑逆した州吁を廃したのち立てられた、宣公が結局暴君であったことを批判するものである! 宣公は政務を顧みず、父の妾や息子の婚約者にまで手を出す荒淫ぶりであった! この宣公の振る舞いを諌めるため、家臣らがこの詩を詠んだのである!
○崔浩先生、キョドる
その属性は最終連以外に存在しておらぬのではないか……?
■雄雉、凶兆や否や
オスのキジを飼っている人物がいたりはしたのだが、それは省くこととした。ここではいわゆる「吉凶を占う」方面のもののみを取り出しておる。原則オスの雉がこぞるのは凶兆のようであるが、三國志の管輅はここに吉兆を見ておる。まぁ、オスのキジ単体でどうこう言っても仕方がない、となるのであろうな。
・漢書25 郊祀
來也常以夜,光輝若流星,從東方來,集於祠城,若雄雉 ,其聲殷殷云,野雞夜鳴。
・三國志29 管輅
有雄雉飛來,登直內鈴柱頭,直大以不安,令輅作卦,輅曰:「到五月必遷。」時三月也,至期,直果為勃海太守。
・魏書13 文成文明皇后馮氏
十四年,崩於太和殿,時年四十九。其日,有雄雉集于太華殿。高祖酌飲不入口五日,毀慕過禮。
・魏書112.1 霊徴上 羽蟲之孽
洪範論曰:視不明,聽不聰之罰也。孝靜天平二年三月,雄雉飛入尚書省,殿中獲之。
■實勞我心→邶風燕燕
■君子、それでいいの?
論語 子罕28
『不忮不求,何用不臧?』子路終身誦之。子曰:「是道也,何足以臧?」
孔子の高弟・子路はは、好んで当詩の『他者を攻撃せず、名利をも求めない。それだけ成し遂げられれば良い』を暗誦したという。しかし孔子は「それにもうちょい足すものがあるんじゃね?」と問いかけた。ここで「何を足すべきか」にまで言及しないのが論語の上手いところであるな。いくらでも都合の良いものをアドオンできような。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%8C#%E3%80%8A%E9%9B%84%E9%9B%89%E3%80%8B
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