第4話 プロローグ④
――俺はダンジョンマスターと名乗る奴に、強烈な一撃を加えてやることにした。
「エイミングランサー!」
一筋の光明と共にオーラをまとった槍が、ダンジョンマスターへ飛んでいく。
ダンジョンマスターに直撃こそしなかったが、左腕をかすり傷を与え、エイミングランサー被弾による爆発の衝撃波によるダメージを与えた。
「 おのれえええええぇぇぇ! 下等なごみの分際で! オレ様に手傷を負わせやがってええ!」
ダンジョンマスターは、激しい怒りを見せ、そう喚くとこちらに向き、持っていた杖をこちらに向けてくる。
「 シャドーボール!」
ダンジョンマスターが魔法を唱え、その瞬間、黒いボール生み出しこちらに飛ばしてきた。
こちらは2本の短剣を取り出し、手前に構える。
シャドーボールがクロスしている短剣部分を捉えた。
普通の短剣なら無理でも、この短剣魔法属性が付与してある特性だ。
あとはこれを弾き返せば、次の攻撃動作に移れる。
――そう、ここまでは予定通りだった。しかし、誤算が発生していた。
――しかし! 思ってたよりも想像をはるかに超えたシャドーボールによるダメージは強烈な威力だった。
シャドーボールを抱えたままの威力を殺しきれず、後方への飛ばされる。
だんだんと地面から離れていった。
(やばい! この軌道は天井にぶつかる!)
瞬時に軌道を読み取る。
ダンジョンマスターが放ったシャドーボールを抱えたまま、短剣の角度を変え、弾き返すのを断念して軌道を祖らす。まずは、俺と仲間の直撃を避けることに専念することにした。
ダンジョンマスターのシャドーボールの別方向に弾き、部屋内で爆発を起こした。
幸い軌道を変えることには成功。予定通りだった味方へ被弾は無く、ダンジョンマスターが生み出したスケルトン数匹を巻き込んだ。
しかし、ここから予定外の事が起こった。
俺自身は勢いを殺しきれずにそのまま吹き飛ばされていく。
(うぉぉぉ! とまれぇぇぇぇ!)
心の叫びはむなしく、木製のドアに激突。
そのままドアを突き破り部屋内に飛ばされていく。
俺は部屋内にあった本棚に激突してそのまま堅い石作りの床にたたきつけられた。更には、本棚にぶつかった衝撃で本棚に入っていたフラスコ型のビンやら本やらが落ちてきて俺に直撃した。
中身は俺めがけてぶちまけ、異臭を部屋全体に漂い、次に落ちてきた本数冊の直撃を受ける事になった。
これで済めば仲間の元に行き、戦線復帰出来る―――はずだった。
立ち上がろうとした瞬間、身体に電流が走り、周りに光りが満ちていく。だんだん意識が遠くなっていく。
(俺はいったい…………何の液体が…………掛かったんだ? これは…………まずい…………)
――――俺は意識を手放した。
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