第三十七話 欧州の変革

 東京講和会議の場において、アジアかく国の国境線の線引き以外にもヨーロッパの国境線の線引きも確定された。


イタリアはケニア、チュニジアを解放し、イストリア半島とダルマチアをユーゴスラビアに、ドカデネスをトルコに返還し、加えて100億ドル。条約締結時の円換算で約3兆6000万円の賠償金を払うこととなった。軍隊も生産数制限はないのものの陸には50万人、空には航空機定数8000機、海には海軍艦艇総計100隻の制限がかけられた。


ドイツは中央から二分されるように分割。西側を連合国が「ドイツ連邦共和国(FGP)」、東側をソビエト連邦が「ドイツ民主共和国(DDR)」として衛星国とした。ドイツ南部ではエーリッヒ・フォン・マンシュタインをトップに国家主義的な政治体制を持つ「ドイツ国家社会主義連邦(GNSF)」を連合国による軍事制限を条件に建国。

第二次世界大戦前にリトアニアから強奪したメーメル地方はリトアニアに返還された。


ポーランドは対戦前と比較して東側に領土を減少させたが、その分として東ドイツから幾分かの領土を割譲した。が、ソビエト連邦の衛星国家となってしまった。


アンシュルスによってナチスドイツに併合されていたオーストリアは解放され、今までの政治体制を取り戻すことに成功した。


ミュンヘン会談によって吸収されたチェコスロヴァキアはチェコ側を連合国が、スロバキアをソビエト連邦が互いに衛星国化した。


 そしてこの、国の利権のために無理に引かれた国境線と連合国の資本主義、コミンテルンの共産・社会主義の思想の壁による対立が原因となって、ドイツやチェコを中心に小競り合いが繰り広げられることとなる。

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