第三十六話 歴戦の将校たちは

歴戦の将校たちは、第二次世界大戦の後、どのような生き方をしたのだろうか。

華々しくその人生に幕を閉じたものもいた。一方では堕ちる所まで堕ちて司法の下に裁かれた者もいた。


山本五十六

太平洋を負けなしで戦い抜き、アメリカ本土でも「Yamato's battle god《大和の戦いの神》」として英雄扱いされていた。そんな彼は戦後海軍大臣に就任し、海軍艦艇や航空機、そして被害の計測などの戦後処理を全て引き受けた。

そして戦後よりが全て終わった1950年、海軍大臣を自ら辞任し、2期連続当選を果たした第二次東久邇宮内閣の中で外務大臣として駐米日本大使に就任。アメリカとの関係改善の架け橋となった。


東久邇宮稔彦王

臨時の陸軍大臣としてソ連戦線を指揮し、それと並行して講和条件の考案、内政など多岐にわたってその才能を遺憾なく発揮した。そして戦後は日本の悪しき伝統を払拭するため、帷幄上奏や軍部大臣現役武官制を廃止し、女性参政権の追加。そして大日本帝国憲法を新たに作成し、天皇を軍部の統帥権を持つが内政に干渉することはできない存在とし、健全な立憲君主制国家を成立させるために尽力した。


今村均

陸軍中将としてインドネシアの独立家であるスカルノなどを解放した彼はそのままインドネシアに残り、現地における政治指導顧問となった。


山下奉文

陸軍大将として幾度となく大規模な作戦に指揮官として参戦し大きな戦果を挙げていた彼は終戦後元帥に昇進。そして陸軍参謀本部と海軍軍令部の統合に尽力した。


この戦争で日本では160万人が戦死した。そして将校たち彼らはその犠牲の上に成り立った平和だということを噛み締めて、今を生きている。

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