講和

第三十五話 講和会議

 12月8日、日ソ、日米、日英そのほか連合国との停戦条約が締結された。その後の講和会議において、賠償金やドイツ、イタリアの領土割譲、そして日本によって占領された英仏米植民地に関しての処遇が話された。


 英仏はセイロン島やミンダナオ島、タヒチ島以外のアジア植民地を解放、アフリカも重要拠点になりうるところ以外を解放し、賠償として、各国が戦争相手国の復興支援、技術支援を互いに行うことという講和を提示してきた。しかし日本側はこれに反発。


 セイロンやミンダナオ、タヒチ、ベトナムなどのアジア植民地の全てを解放、フィリピンもアメリカの従属国の立場から独立国としての地位を渡し、マレーシア、ボルネオ、ミンダナオ、ジャワを戦略的重要拠点として割譲、ハワイも戦略的重要拠点としてカラカウア王朝を復古。日本の従属国にする。ラオスとカンボジアはシャム(タイ立憲君主国)に併合、ソ連側には北樺太を割譲要求した。そして賠償請求は英仏両国の要求と同じであった。


 明らかに日本有利な要求であったために、一部から反発を受け、多少の変更はされたが、それでも日本の未来が安泰であるような有利な条約であることは間違いない。そして12月12日から始められた東京での講和会議で「東京国際平和条約」が締結されることとなった。



 結果日本の要求通り、アジアの欧米植民地は全て解放。アジアの兄弟たちが今日も仲良く生活している。

 その中で一番大きな変化があったのがシャムと中華民国、オーストラリアとニュージーランド、その他カロリン諸島の国々であった。


 シャム王国は帝政は前近代的なものであると皇帝自らが立憲君主制の道を歩むと宣言。「タイ王国」としてインドシナ半島の守り神として鎮守している。

 中華民国はかつての帝国植民地をすべて返還され、日本の従属国という立場から独立国となった。

 オセアニア諸国はオーストラリアを中心に緩やかな自治連邦国家である「オーストララシア連邦共和国」を建国した。


 1937年から始まった日中戦争を皮切りに始まった世界を巻き込む大戦争は各主要国家達に多大な損失を与えた。国家だけでなく、その国に住む国民の心にも大きな傷を与えた。

 全世界で1000万人が死んだこの戦争は世界に対して、大きな変化を与えただろう。

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