第26話  蘇生

 朝目覚めた時に大事な物や報酬として貰ったお金をアイテムボックスにしまった。ケイトのドレスや装備品等を収納し部屋を広くするのに早速活用していた。


 闘技場に行き、参加した者達が集い司会と聖職者が死者へ弔いの言葉を掛け、火をくべた。


 どうやら死体を盗んだのがバレなかったようだ。


 燃え始めると皆引き上げるので引き上げ、ケイトを伴い女性の服と履物を買う。そう、死体の主の為だ。ケイトのも少し買い足した。


 大輔自室に戻り、ケイトを引き連れ死体をアイテムボックスから出した。組成期限が1時間位に迫っていた。


 予めケイトには説明していた。


 それと先にケイトの顔の傷を治していく。体は後にするが。


 今生き返らす者を先に治すのは酷いから急ぎ顔を治した。

 鏡を渡すとただただ涙をしていた。


 そこには幼いが絶対美人になると太鼓判を押せる美少女がいた。


「遅くなってごめんな。体は落ち着いてじっくり治すから、今は顔だけで我慢してな。うんうん。どこに出しても恥ずかしくない美少女だな。皆びっくりするだろうな。綺麗だよ」


「ダイス様ありがとう!ありがとう!大好き!」


 死体を前に泣きじゃくっていたが5分程で泣き止み、いよいよ死者を蘇生する。


 その前に死体の体を治して顔を拭いていく。


 17か18歳といった所で金髪の美少女だ。結局なぜ恨まれていたか分からない。

 服は戦った時のままだった。胸は見た目では有るのが分からない。寝業のときに胸の感触に気がついたが、さらしを巻いているのであろう。


 念の為下着の上から股間を触るが男性のシンボルは無かった。


 生き返ったらケイトにまず話をさせ、騒がない状況を作ってから大輔が相対する。


 念の為一旦奴隷にした。腹部を触りながら奴隷にし、腹部に奴隷紋を出した。


 しかしこの女性の名が分からなかった。


 闘技場ではジェームスと名乗り、男として通していた。経歴は謎だった。なのでこの少女が誰か分からなかったのただ。ただ、この歳であの腕前は凄まじかった。


 ケイトがソワソワしていた。横たわるのがかなりの美少女だったからだ。



「あ、あの、彼女はダイス様の性奴隷にされるのですか?」


「いや、それはないな。敵討ちと言っていた事情は聞きたいけどさ。襲われない為の防護だよ。俺はね、奴隷にして無理やり女性と体の関係を持つなんてみっともない真似はしないよ。この子にしろ、ケイトにしろ、体の関係になるのはさ、ちゃんと一人の人として愛し合うその結果かな」


「ふーん」


 ジト目が痛い。


「彼女を奴隷にしたのは一時的だからな一時的」


 そして何故かわかる死者蘇生を実行したのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る