第42話:ミレーティアに叱れる
翌朝、レイドは疲れた表情をしていた。
その原因はリリスにあった。
あのあと体を洗おうと部屋の備え付けの風呂場に向かうと、一緒に入ってこようとしてそれを阻止してさらには密着して寝ようとするのでとても大変だったのである。
そんな光景をフランが見ていたら激怒していたに違いない。
レイドとリリスがリビングだろう場所にいき扉を開けると……
「あ! レイドお兄さーーんっ!」
レイドが部屋に入った瞬間、ミレーティアが飛びついてきた。
ミレーティアはレイドが絶対に受けてめてくれると信じていた。もちろんレイドは必ず受け止める気でいた。
受け止め地面に下ろすと少し物欲し気な瞳を向けてくる。
「少ししたら遊んでやるから、待っていろよ?」
そう言ってミレーティアの頭を撫でてやると、目を細めながら気持ちよさそうに「わかった」と頷いた。
「起きたかレイドにリリス」
「二人ともよく眠れたかしら?」
アルミラースとウォースパイトがレイドとリリスにそう尋ねてきた。
寝れたか寝れてないかで問われれば寝れた方だった。
「そうだな。昨夜リリスに邪魔されなかったらマシだったがな」
「むぅ〜……それは不服」
「人が疲れているのに……」
「それは私も。レイドが寝かせてくれなかった」
その言葉にアルミラースが口を開く。
「なんだ。昨日はお楽しみだったのか。あれだけ魔王が好きと言っておきながら」
「おい待て、それは誤解だ! リリスも誤解を招く言い方はやめろ」
「事実なのに……」
「邪魔してきたのはそっちだよな?」
「レイドじゃなくて?」
どうやらリリスには自分が邪魔したという感覚は無かったようである。
ウォースパイトはこの会話を聞いて「あらあらまあまあ」とうふふしている。
誤解しているようである。
ミレーティアは何を言っているかわからないのか頭に疑問符を浮かべてる。
それにミレーティアにはこのやりとりが喧嘩して見えたのか、止めに入ってきた。
「二人とも喧嘩はめっ、です! リリスお姉さんは私が寝ている間にレイドお兄さんと遊んでいてずるです……私だって……」
「あ、遊んでいたわけじゃ……」
「じゃあ何していたんです?」
「そ、それは〜……」
「リリスお姉さん、これからはレイドお兄さんに迷惑かけちゃめっです。いいですか?」
「はぃ……」
小さく返事をしてシュンとするリリス。
そして次にレイドの方へと向いた。
「レイドお兄さんもリリスお姉さんを甘やかしちゃダメなの」
「俺は違――」
「言い訳はめっなの!」
「い、以後気をつける」
「なら良い。じゃあ――約束通り」
「ああ、遊ぼうか」
朝食を食べたレイドとリリスはミレーティアに連れられて遊びに行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。