第34話:思考する
アルミラースはレイドから放たれる圧倒的なまでの魔力の奔流を見て身震いをした。
あれは人間を――いや。人として内包できる魔力量を超えていると。
自身と同等。あるいはそれ以上の魔力を持っていると。
ここで確実に殺さなければ自身の身が危ないと感じるほどに。
『ここで殺さなくてはいけないようだ』
アルミラースは自身の周囲に魔法陣を展開する。
そのどれもが最上位の魔法であり込められる魔法量も大きい。
レイドは駆けた。
空はアルミラースの領域。ならばそこから突き落とせばよいだけであると。
放たれる魔法の数々。
躱し時には魔力を纏わせた腕で弾き距離を詰めていく。
このままでは不味いと思ったのか、アルミラースはさらに高く飛び距離を取りながらブレスなどといった攻撃を仕掛けてくる。
そのまま跳躍しアルミラースへと接近するが、どんどんと上昇するドラゴンに追いつけるわけがないと思われた。
『ここまで来れば――なんだとっ!?』
アルミラースは驚愕で目を見開いた。
驚いた理由、それは――レイドが空を足場に迫ってきていたらであった。
「何を驚いている。これくらい普通だろう?」
レイドは空中にある空気を足場に跳躍していた。
もちろん普通の人間に出来る筈はないがそんなことはレイドには関係なかった。
迫るレイドへとアルミラースは無数の
対抗するようにレイドも、アルミラースと同等の魔力が込められた
次々と飛んでくる
そのまま拳を握りしめ気と魔力を込めた。
『その距離では貴様の拳も届くまい』
「……そう思うか?」
レイドはまだ距離があるアルミラースへと拳を放った。
振り抜かれた拳からは魔力と気が混ざったモノが一直線へとアルミラースへと進み――腹部へと直撃し大きな音を立てた。
『グァァァァァァッ!?』
吹き飛んだアルミラースは空中で態勢を整え直し炎魔法の最上級魔法、
直径10メートル以上はある漆黒の炎の塊が周囲を囲み幾つも迫ってくる。
確認するが逃げ道は無い。
『驚いたがこれで終いだ。我にここまでさせたのだ、誇るが良い』
「流石に不味い、か」
レイドが魔法を見て最初に思った感想であった。
流石のレイドでもこの数でしかも桁違いの魔力だ。全てを弾く事や回避することは絶対に不可能であった。神に最も近いと言われるドラゴンなだけはある。
迫る
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