第6話「彼氏のオーラ」

”ショート”姉さんは一発で彼氏が運ばれている病院にたどり着いた。


「さて行くよ。ネグセちゃん。」


「何か緊張しますね。」


名前の書かれている病室を見つけてから、しばらくの間2人ともトビラの前に立っていた。


「よし、行くよ!」

先程と同じ言葉を言って、姉さんは病室に入った。


「ねぇ、あのオーラみたいなの何??」


姉さんにはオーラの説明をしていなかったことを思い出した。

病室に入りオーラについて説明しようと思ったが、

彼氏を見た瞬間、少しためらってしまった。


「ねぇってば!」


彼氏は”黄色”のオーラを放っていた。

嘘をつく訳にはいかない。

正直に姉さんに話すことにした。

———


「なるほどね。」


思っていた以上に姉さんは平然としている。

「”運命”の手伝いなんてするつもりはなかったけど、これは私の仕事ってことね。」


「で、何するの?私と同じようにこちらの世界に誘うとか?」


「姉さんは怖いことを言いますね。実は何をするかわからないというのが答えなんです。とりあえず”赤色”になるまで待つのがいいかと思います。」


「だって私は殺されたに等しいでしょ。・・・まあ冗談だけどね。事故って言っても彼氏のせいではないからね。」


事故は姉さんの乗る車に信号無視の車が衝突し、起きたらしい。


「てか生きてたんだ。。あんた。」


彼氏が目の前で眠っている。目覚めた時に彼はどのように思うのだろうか。


「もうどうしようもないよね。。」


”黄色”のオーラが”赤色”に変わった。


「さてミッション開始ね。」


どのような”運命”なのか。彼氏の様子に目立った変化はない。


「何も起きないってあるんじゃないかな?」


「すみません。僕も経験が少ないので何とも言えないです。ただ何かしらは起きると思いますよ。」


「あ〜暇ね。ちょっと試しに干渉してみていい??」


「ダメですよ。何が起きるかわからないじゃないですか。」


「ちょっとだけ。」


と言って姉さんは呼び出しボタンを押そうとしている。


「ダメですって。」


ボタンを守るようにして前に立ったが遅かった。

姉さんは手を伸ばし、あちらの世界に干渉して、ボタンを手に持っていた。

咄嗟に自分もそのボタンに触れたが、その瞬間にボタンは押されていた。


「へ〜。本当に触れることできるんだ。」


「看護師さんが来ますよ。。」


「あれ!?オーラが”緑色”になってるよ。」


姉さんの右手を見てみると(1/3)になっている。どうやら今のが”運命”だったらしい。


「これで一緒だね!」


一緒?何が同じなのだろうか。


「私たちは1/3のチームだ!」


自身の右手を見ると(1/3)。

このカウントをどこかでお手伝いした覚えはない。

ボタンを押すという行為を共に干渉したため、カウントされたのであろうか。


看護師の方が来て、彼氏を連れて行った。

彼氏がボタンを押した後に気絶したと思われたのであろう。


「姉さん・・・」


「さようなら、元気で、、、」

姉さんは呟くように言った。


こんな別れで良かったのか。

カウントを達成すれば、あちらの世界に戻れるということであれば姉さんは達成に向けて動くのであろうか。


「よし、行くよ!ネグセちゃん!」

「はい、、、」


姉さんは吹っ切れたのだろうか。

いや強がっている。足早に病室を出ていった。


「彼氏さん、姉さんは強いですよ、、、」


”運命”のカウントを共に増やすという重要な発見をしたのか?

”モヒ”と”ロング”に相談しなくてはならない。

”ショート”姉さんを追いかけ、待ち合わせの場所に向かう。

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