第5話 「ええらしい”ショート”のお姉さん」

「ここはどこ?交差点の真ん中?」

確か私は彼氏の運転する車でキャンプに向かっていた。

その道中で事故にあっただろうか。意識が薄れていく中で救急車に乗せられていたことは覚えている。


「こんな所で立っているということは死んだかな、私。。。」


「でもこの場所には見覚えはあるし、今から天使にでもどこかに連れていかれる?」


目の前から車をすり抜けて、こちらに男性3人組が向かってきている。


天使かな?と思い、呼んでみた。


「おーい、天使さんたち!ここで〜〜すよ!」


こちらに気づいたのだろうか。何か3人で言い合っているみたいだ。

しばらくすると、

その中でも一番小さな体型で、髪がボサボサしている子が話しかけてきた。


「こんにちは。お体は大丈夫ですか?」


「はい!見ての通り元気ですよ!」


小さな男の子は少し困惑した表情で言った。

「いきなりですが、ルール説明をしますね。」


———


男性たちは天使ではなかった。なぜか髪型で呼び合っているおかしな集団であった。

気がつくと、私も髪型から”ショート”と呼ばれるようになっていた。


「ねぇ、ロンゲ! 私は別にここで生活したくないし、早く天国行きたいんだけど。」


「まさか本当にすぐに消えたいという方に遭遇するとは思いませんでした。」


「消えるのは構わねえが、少し付き合え。いずれにしろ1週間はここで生活しねえといけねえんだ。」


「ルール説明はその場に同席した方全員のカウントが増えました。今わかっているのはこれだけですね。他にも2人は何か知ってそうですけど。。。」


「いや現時点は私たちもわかっているのはそれだけです。そのことを知ってから”モヒ”と行動するようになったんです。」


「あーー彼氏がどうなってるか。見てきてもいい?モヒカン頭!!」


「てめぇはせっかく美人なのに、口だけブサイクだな。行ってもいいが”ネグセ”も同行させるからな。”ネグセ”は何か見つけてこい。」


「じゃあ行くわよ。ネグセちゃん。」


「わかりました。では後ほどここに集合でいいんですよね?」


「はい。何か見つけられることを願っています。」


「俺たちは今回の”運命”を達成してくるわ。」


”運命”のお手伝い?

そんな面倒くさいこと誰がするか!

とりあえず1週間ぐらいあるらしいから、みんなに挨拶でも行こうかな。

まずは事故にあった彼氏からね。

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