第3話
奈津は、一人、昼のリビングでjoytubeを見ていた。
「やっぱり、加勢川 陽一さんはおすごいなー。」
加勢川 陽一さんは、最近ハマっているアーティストで、面白い作品を何本も動画にしている。
「お、今日の動画は、サクラサク! 今日も意味分からそうだな。」
半引きこもり生活が始まってからは加勢川 陽一さんが、精神の拠り所になっていた。
はあ、やっぱり今日も、加勢川 陽一さんの動画はすごいないな。意味分からんけど。
今日発表の作品は、コンクリートに桜が咲いている写真だった。しかも、どす黒い桜。圧倒的に合わないはずなのに、なぜか心をゆさぶられる。そんな作風だ。そして、それを360度見回していく構図もとても良い。
「やっぱりすごいなー、加勢川さんは。どうしたら、こういうことを思いつくんだ。」
こうやって、才能というものを目の当たりにすると自分の出来の悪さにがっかりしてしまう。
ん、何だ、この動画は、
「学校何か、行かないでいい。だって? ……、え、
どゆこと? 気になる。見てみよ。
そんな軽い気持ちで見始めた動画が、この先、自分の人生に良くも悪くも、大きな影響を与えることは、このときの奈津はまだ、知らなかった。
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