第2話
ベッドの中で嘆いていると、もう八時半になっていた。
「奈津ー、お母さんもう出るから。」
そう言って、母は仕事に行った。リビングに降りると、独りのせいか、比較的広いはずの家がとても小さく感じられた。家には独り。ただ自分だけ。だんだんそれを自覚してくると、壮大な自責の念が湧き上がってきた。
はあ、学校の奴ら、今頃授業が始まった頃か。それなのに、僕はリビングのソファーの上に座ってるだけ。
なんで僕はこんなに皆と同じことができないんだろう。
今まで何回したかわからないような思考をする。考えると、いかに自分がダメな人間かが分かる。そして、それをいい加減自覚しているはずなのに、それでも学校に行かない自分をいらただしく思う。
そんな息子を叱らずに、ちゃんとご飯を用意してくれる両親にとても申し訳なく思う。
学校がないと、ほんとうにやることがない。暇潰しには、joytubeが一番だ。ほんのすこしの罪悪感とともに、アプリを開き、おすすめの一番上の動画を迷わずに、タップする。
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