第2話 ここは、、、、異世界?
、、、
、、、、、、
、、、、、、、、、、、、
「う、、、あ、、、、」
何だ?なにが起こった?
目を開けようとするが、なかなか開いてくれない。
さっきあれだけ眩しい光を浴びたせいだろうか。
身体は、、、、、動く。
そこで俺は初めて、自分の体が倒れていることに気がついた。
地面は固く、コンクリみたいな素材でできている。
(何だ?俺が倒れているのはどこだ?あの光は何だ?
あの魔法陣は、、、、、もしかして最近話題の異世界転移というやつか?
だったらチートか?チートハーレムというのに俺はなれるのか?!)
そこまで妄想したところで、俺は目が開きそうなことに気づく。
なにやってんだ、と思いつつ目を開けると、、、、
目の前には、金髪ロングの美少女がじっとこっちを見て、座っていた。
「うわあ!!」
思わずびっくりして声が出てしまう。
するとこっちを見ていた少女も、驚いたような顔でこっちを見つめ直した。
(誰だ?こんな美少女って学校にいたっけ?
いや、そもそもここは学校なのか??)
状況が理解できない俺は、頭が混乱したまま、目の前の少女に話しかけてみる。
「あっすいません、、、あの、、、、どちら様でしょうか?
そしてここは、、、どこなのでしょうか?」
と俺が恐る恐る日本語で問いかけると、彼女は一瞬、不思議そうな顔をし、直後にまた驚いたような顔になった。
(言い方が悪かったのかな?)
しかしそう思ったその時、俺は自分の失敗に気づく。
(そうじゃん、、こんな美少女が日本人なわけないじゃん、、、
なにやってんだ俺、、、、)
そう、この少女の見た目は、金髪ロングに碧眼、彫りはあまり深くないがとてつもなく整った顔立ち。
(どう見ても日本人じゃないだろこの人。)
そう思いながら、どうやって言葉を伝えるか思案しようとしたその時。
「古代魔術語?、、、、」
その時少女が発した言葉は、どう聞いても我らが母国語。
そう、何を隠そう、
日本語であったのだ。
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「えっ?日本語喋れるんですか?」
そう俺が問いかけると、少女は困ったような顔をし、
「私はなぜあなたが、古代魔術語を喋れるのか不思議なのですが、、、、」
と返してきたので、俺は一つ疑問に思ったことを口にしてみる。
「古代魔術語ってなんですか?」
「それは、、、、」
と、少女が答えようとしたその時。
「うん?どこだここ?」
という声が後ろから聞こえた。
その時俺は思う。
(やっべ、、、忘れてた、、、)
なんとなく想像はつくがとりあえず、後ろを振り返ってみる。
するとそこにいたのは、俺が完全に存在を忘れていた、同じくここに連れてこられたであろう、クラスメイトだった。
「んあ?なんだ?なんでこんなところにいるんだ?」
クラスメイトはやはり起きたばかりで混乱しているのだろう。
頭をボリボリ掻きながら、焦点の合わない目でこちらを見つめてくる。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、沈黙
なんとなく気まずいので俺が喋ろうとすると、
「で、ではみなさんが全員起きてから、色々話すことにしましょう!」
そんなふうに少女が提案したので、
俺は色々聞きたい気持ちを抑えてその提案に従うことにした。
その後、少女は立ち上がってどこかへ行ってしまい、俺はどうしたもんかと考える。
(ここに来る前に確か、床に出てたのはあれは魔法陣か?だとしたらここはやっぱり
異世界?)
そう思った俺は、まずここはどこなんだ?と思い、周りを見渡す。
俺たちが連れてこられたのであろうこの場所は、周りが茶色い観客席?のようなもので囲まれている円形の広場で、まるで、昔写真で見たコロッセオのような見た目をしている。広場は相当広く、パッと見た感じ縦横50メートルはありそうだ。
床はまるでコンクリのような手触りで、硬い。
そして俺の周りには、学校の制服を着たクラスメイトたちが倒れていた。
人数は40人ほどで、ちらほら他のクラスの人も混じっている。
(ここが異世界だとすると、、コンクリがあるのは不自然か?いやでもコンクリは土
から作るらしいから、そこまで不自然じゃないのか?、、、、、、、、
うーん、、わからねえなぁ。)
そこまで考えたところで、トントンと肩を触られる。
なんだと思い振り返ると、そこには先ほどのクラスメイトがいて、
「なあなあ、お前ってここがどこか知ってるのか?さっきの美女と知り合いっぽかったけど。」
と聞いて来たので、
「いや、俺が最初に起きて、あの人と喋ってたってだけで、知り合いってわけじゃないよ。そんで俺もここがどこかは知らない。」
俺がそう答えると、
「ふーん」
と、素っ気なく言われ、話が終わった。
(なんでだ?なんでこんなに素っ気ないんだ?俺が悪いのか?やっぱり俺はコミュ障
なのか?)
そう俺が考えている間に、だんだんと他のメンバーたちも起き上がって来る。
「う?うーん、、、、、」
「なんだ?
ここはどこなんだ?!?!
誰か教えてくれええええええええええ!!」
「ここは、、、まさか異世界?もしかして俺が主人公?!」
寝ぼけてるやつ、パニックを起こしてるやつ、自分の妄想に浸り始めるやつ。
やはりうちのクラスは個性が強い奴ばかりだ。
、、、、、、だから馴染めなかったのかもな、、、、
それから20分ほどが経過し、だいたい全員が起きたところで、近くにローブ?を着た老人と、先ほどの少女が歩み寄ってきた。
すると、
「みなさん注目してくだされーーーー!!」
と、老人の方が急に老人らしからぬ大声を出し、自分に注目するように言い放つ。そして自分に全ての視線が集まったことを確認し、話し始めた。
「えー、君たちはみんな、まだこの状況が把握できてない状態じゃろう?
そして君たちの状況をこの王女様が説明してくれるので、静かに聞くように。」
ん?今聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ?
、、、、、あの人、王女様だったの?!
俺がそう思うと同時に、周りからも、
「王女様?!」
「あの人が?!」
「王女ってどこの国のだ?」
「美人だぁ、、、、、」
と疑問(?)の声が聞こえて来る。
するとそこで、
「ちょっと待ってください。王女様というのはどういうことですか?そして一体ここはどこなんですか?」
と、うちのクラスのリーダー的存在の、イケメン君が前に進み出て疑問をぶつける。
しかし、
「それも今から説明するので、お静かにお願いします。」
と王女様と呼ばれた少女に言われ、イケメン君は口をつぐむ。
そこから、王女様の説明が始まった。
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「まず、あなた達がどのような存在なのか、お話ししましょう。
簡単に言えば、あなた達はこの国を救うために私が召喚した”勇者”です。
あなた達が、この国を危機から救ってくださると思い、召喚いたしました。」
そこまで王女様が話すと、
「その危機とは、どういったものなのですか?」
と質問がされた。
「この国は現在スタンピードと呼ばれる、厄災に見舞われています。
スタンピードとは、魔物と呼ばれる動物達が暴走し、人間達を襲い始める
というもので、
現在それが国家が危機に陥る規模にまで発展してしまっているのです。」
そう王女様が答えると周りから、
「え、、、、無理じゃね?」
「俺らにそれを収めろってか」
「死んだかも、、、、」
という声が聞こえて来る。
確かに俺も無理だと思う。
それを王女は聞いたのか、
「大丈夫ですよ。勇者というものはとてつもなく強力なスキルを持っており、
成長速度に関しても常人の比ではないのです。
なので、あなた達には2ヶ月間で戦闘方法などを学び、強くなってもらいます。」
といった。
するとそこでおお!というざわめきが起こり、
「すげえ!!勇者すげえ!!」
「俺が、、、、俺が、、、勇者?」
「ゆうしゃって何??????」
という声も聞こえてきた。
ほんとすげえな勇者。
そこで俺は疑問がまだ残っていることに気づき、質問する。
「では王女様やこの国、いや、世界ってどういったものなのですか?」
ちなみにこの質問は、俺がここは異世界だとほぼ確信して聞いた質問だ。
勇者というものが出てきた以上、聞かないわけにはいかない。
「はい。そう言えば自己紹介がまだでしたね。
私の名前は、マリノワ・リア・オルフォード。
この国、オルフォード王国の第一王女です。気軽に”リア”とお呼びください。
そしてこちらの、、、、、」
「オルフォード王国、魔法担当大臣マザロ・リックスヴェルドです。
呼び方は”魔法大臣”などで結構です。」
ほんの数秒で、二人の自己紹介が終わる。魔法担当大臣と名乗った人物は、さっきの大声を出した老人だ。
そして王女が話を続ける。
「次はこの世界について、でしたね。
おそらく私が思うに、この世界はあなた達の住む世界とは全く違う世界です。
あなたたちは魔物の存在を知らないようでしたし、服装もかなり違う。
しかもあなた達のしゃべる言葉は、もともとこの世界の言葉ではない言葉です。
あなた達は、”ニホンゴ”と呼んでいるそうですが、
この世界では基本この言葉、”古代魔術語”は全く通じません。」
そこまで王女様が話すと、
「じゃあどうすればいいってんだよ!!それじゃ暮らせねえじゃねえか!!」
というバカな質問が飛ぶ。
はあ、、、何言ってんだよ。王女様がさっき言ってたろ。
”成長速度は常人の比じゃない”って。
「これも大丈夫です。先ほども話した通り、
勇者は他の常人と比べ成長速度が桁違いに早いのです。
これは身体能力だけでなく、知力など様々なところで適応されます。
なので言語などもすぐに習得ができるはずです。」
ほらな
そう俺が思うと同時に、周りからは
「うおおおおおお!!やっぱ勇者すげえ!!」
「やっぱり、、やっぱり俺は勇者なんだ、、、、」
「なに?どういうこと?話がわかんない、、」
と、さっきと同じような声が聞こえる。
しかし俺は、もう一つ気になっていたことを王女様に質問した。
「では王女様。僕たちは元の世界には帰れるのでしょうか」
そう、俺たちは元いた世界に帰れるのか、それが問題だ。
召喚する方法があるんだし、帰る方法もあるのでは。と俺は思ったのだが、、、
王女様少しうつむきながら、
「申し訳ありませんが、元の世界に帰ることはおそらくできません。
術式を使用して召喚すると、
一度召喚したものは元に戻すことはできないので、、、」
と申し訳なさそうにそういった。
、、、まじか。帰れないのか、、、、、。
俺がそう思うと周りでは、
「え?私たち帰れないの、、、、?」
「帰れないということは父上や母上に、もう会えないということかああああああ!!
うああああああああああああああああ!!」
「これはまさにテンプレ展開!!俺が俺が最強になるんだ、、、、
俺が勇者なんだ、、、、、、!!!!」
とまあこういうことになるわけだ。俺は母親も父親ももういないから、心残りはないが、、、他のやつはそういうわけにはいかないだろう。
「みんな落ち着くんだ!!もう戻れないのなら慌てたってしょうがないだろ!!」
とクラスのイケメン君がいうと、
「そ、そうですよ。せっかく勇者ってのは強いんですし、
この世界もあんまり悪くないんじゃないですか?」
とクラスの委員長がそれに賛同する。
すると先ほどまでうるさかった奴らがすぐに静まり返る。
さすがイケメンと委員長は違うね!!
それに加え、王女様が
「昔の文献では、勇者が世界を救うほど強くなったという記載もありますよ」
と言うと騒ぐ声が急に止んだ。
「世界を、、?ですか?」
「はい。世界を。です」
え?そんなに強くなれるの?
そして、ここまで勇者の強さを語った上で王女様が、
「みなさんには、たくさんの可能性が秘められています。
将来的に、この世界を救う者もこの中にいるかもしれません。
なのでまず皆様にはこの国を救っていただくヒーローとなってもらいます!!」
と言えば、そこでその言葉に反論するものはもう誰もいなかった。
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